【わがまちLink41】琉球歴史ロマン漂う 西原町の「内間御殿」
県内41市町村の様々な魅力をお伝えする「わがまちLink41」のコーナー!今月は本当中部の西原町をご紹介。琉球王朝・第二尚氏の初代国王となった尚円ゆかりの地である内間御殿をベテランガイドの男性とともに訪ねました。 【写真を見る】【わがまちLink41】琉球歴史ロマン漂う 西原町の「内間御殿」 愛久澤力也記者 「国道から50メートルほど入った場所にある西原町唯一の国指定史跡にさっそく行ってみましょう」 西原町嘉手苅にある「内間御殿」は、15世紀後半に始まる第二尚氏の初代国王・尚円王が王になる前に「金丸」と呼ばれ、この地域の領主だった頃に住んでいたとされる場所です。2011年に国指定史跡となりました。 ニシバル歴史の会・顧問の長嶺一男さん(81)は、琉球王国の歴史に詳しく、定年退職後にこれまでに読んだ関連書物は300冊以上!学んだ知識を活かして、10年あまりガイドを続けています。サガリバナや、樹齢数百年を超えるフクギなど自然豊かな景色のなかを奥へ進んで行くと、厳かな建物が姿を現します。 長嶺一男さん 「神殿の1つ、東江御殿という建物なのですが、戦争で全部壊れてしまって、現在は周囲の人とここの昔から御殿守という、ここをいろいろ管理している中山家が戦後きれいにした。地域の方が金丸(尚円王)を、御神体としていろいろなお願いをしてきた場所」 金丸の死からおよそ190年後、「内間御殿」の中に建てられた「東江御殿」は、この地から琉球の王となった金丸を祀る為に築かれたもの。沖縄戦によって、一帯は破壊されましたが、戦後地域の人々が再建し守り続けてきました。 長嶺一男さん 「普通の石垣の上端はね、まっすぐ水平になってます。でもここのものは、かまぼこ型に丸くなっている。これを琉球ではボンター積みという」 沖縄戦で多くの建物が焼失した中、戦火に耐えた石垣がみられます。この形で現存するのは県内でも大変珍しく貴重なものですが、月日を重ね、一部が崩れるなど劣化が進んでいます。 長嶺一男さん 年々上が崩れて下がっていて、ネットを貼って、落ちないようにしている。我々の希望は、昔の当時のものに早く復元してもらって、皆さんに(本来の姿を)ガイドできるような場が早くできてほしいな」 行政も復旧・復元に向けて動き出しています。 西原町教育委員会 山田浩久さん 「この石垣で囲われた空間にこの東江御殿があるんですけども、こちらの整備だけで令和14年度(2032年度)の復旧復元を目指してですね、整備を進めているところです」