傾けると顔写真に浮かび上がる生年月日 外務省が新パスポート発表、偽造・変造対策を強化
外務省は20日、令和7年度から導入する新たな旅券(パスポート)を発表した。顔写真のページを、ICチップと一体化したプラスチック製に変更し、氏名などの個人情報や写真をレーザーで印字・印画するなど、偽造・変造対策を大幅に強化した。7年3月24日以降の申請分から発給を始める。 新旅券は、出入国スタンプを押す査証(ビザ)欄に、現行旅券と同様、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の各作品をあしらった。 一方、掲載する顔写真を現行の1枚から計3枚に増やし、うち1枚は傾けると生年月日が浮かび上がる仕様にした。このほか、傾けると桜の立体画像が動くように見えるページや角度によって模様が虹色に変化するホログラムを採用するなど、多重の偽造・変造防止策を施した。 偽造防止の観点から作成工程も変更する。現在は、紙幣も印刷する国立印刷局が製造した冊子に各都道府県の旅券事務所が写真などの個人データを加えて旅券を完成させているが、来年度発給分から、国立印刷局がデータの印字・印画までを一貫して行う。 これに伴い従来は1週間程度だった申請から交付までの期間が2週間程度に延びるという。申請はオンラインでも可能で、外務省は海外渡航の約1カ月前までの申請を呼びかけている。