鳥取城北・河西、力強い手拍子に奮起 力出し切った笑顔 センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第1日の10日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、鳥取城北は5―6で明徳義塾(高知)に敗れた。 【明徳義塾―鳥取城北 熱戦の様子を写真特集で】 パン、パン、パン――。1点を追う八回1死満塁、鳥取城北の河西は三塁側の味方スタンドから大きな手拍子で激励された。気持ちが高ぶり、心の中で一緒にリズムを取っていた3球目。外角の直球を右中間へはじき返して2走者を迎え入れ、逆転に成功すると、二塁塁上でガッツポーズをスタンドに向けた。 交流試合では、甲子園名物のアルプススタンドの大声援がない。入場が認められた控え部員や保護者は大声を出さず、拍手で応援することが基本だ。準優勝した鳥取の独自大会でもなかった手拍子は、八回の好機に初めてベンチに入れなかった部員約100人らを中心に自然と湧いた。「彼らがいてくれて、このチームが成り立っている。応援してくれていると感じて、すごく力になった」。いつものブラスバンドとはひと味違う、力強い後押しに奮い立った。 最後は左翼から右翼に回った自身の頭をサヨナラ打が越えていくショックな幕切れだったが、試合後も補助員の選手に「ありがとう」と感謝の気持ちを繰り返し伝えていた。「負けて悔しいですが、すごく楽しかった」。待ち望んだ舞台で力を出し切ったすがすがしい笑顔だった。【吉見裕都】