広島市、パールパーバー国立展示で原爆展計画 米国立施設で初
広島市は9日、被爆80年の2025年夏ごろに米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園で被爆の実態を伝える企画展を計画していると明らかにした。実現すれば、米国立施設では初の開催となる。市は同公園と平和記念公園(中区)との姉妹公園協定を背景に打診し、調整を進めている。 【動画で見る】ノーベル平和賞授賞式へ 被団協、核廃絶世界に訴え 市は被爆80年事業として、長崎市と共同でホノルル市の戦艦ミズーリ記念館で原爆・平和展の開催を計画。併せてパールハーバー国立記念公園での企画展の開催を打診した。同公園に写真パネルの展示や被爆者による証言、仮想現実(VR)の技術を使ったゴーグルを通して被爆前後の市街地を疑似体験できる内容を考えている。 この日の広島市議会の一般質問で村上慎一郎市民局長は「協定に基づいて和解の精神を具現化した未来志向の取り組みを積み重ね、ヒロシマの心を米国民に共有してもらいたい」と説明した。 両公園の協定は23年6月に締結。市によると、現時点でパールハーバー記念公園側から平和記念公園での企画展の開催の打診はないという。 市は長崎市と20年8月~21年2月にも戦艦ミズーリ記念館で原爆・平和展を開催している。同館は公園外にあり、民間が運営している。
中国新聞社