2児の母・青木裕子が、次男とともに「落語」にハマって気づいた「伝統芸能の魅力」
2人のお子さんの小学校受験を経験したフリーアナウンサーの青木裕子さんによる、日々の「子どもとの学び」を提案する連載「子育て歳時記」。小学校受験では、季節ごとの“植物”や“行事”について問われたり、生活力が問われるような試験がおこなわれます。365日様々なところにある「学び」のチャンスですが、慌ただしく暮らしていると意外と忘れてしまいがち。青木さんが子育てをするなかで、お子さんのために徹底的にリサーチをし、親子一緒に体験した「学び」の数々を毎月シェアしていただく連載です。今回は、青木さんの次男がハマっているという落語について。 【写真】2児の母・青木裕子が、春休みにママ友と話して考えた「教育の難しさ」 そして、この連載をまとめた書籍『「学びが好きな子に育つ!」 青木裕子の3歳からの子育て歳時記』が、4月19日に発売されました! 青木さんが実践してきた「体験」の具体例や、小学校受験の大原先生による月々のアドバイスなどを掲載した、情報満載の一冊となっています。GWや夏休みのお出かけの参考にもなるのでぜひご覧ください。
落語は子どもと一緒に楽しめる「趣味」
少し前ですが、次男と一緒に文楽を観に行きました。文楽というと、長くて難しいイメージだったのですが、お誘いいただいたイベントが、解説30分+公演30分、さらに背景がアニメーションという画期的なもの。どこかで写真をみたのか以前から「文楽を観てみたい」と言っていた次男を連れて行ったのです。 イベントは最後まで興味深く参加できましたし、私も知らなかった人形の動かし方の解説などが面白く、とても良い経験になりました。落語や文楽、歌舞伎といった伝統芸能は、敷居が高いように感じでしまいますが、最近は子ども向けや初心者向けのイベントも多く、ちょっと探すと気軽に参加できるものが見つかります。 そもそも私自身が伝統芸能に詳しいわけでは全くなく、次男が落語に興味を持ったことから親子で楽しみながら学んでいるところです。 ちなみに次男が落語に興味を持ったのは、コロナ禍で増えた車移動の時間を有意義に使えないものかと考え、落語のCDを買ったことがきっかけでした。考えてみると、落語って、一人の噺家さんが扇子と手ぬぐいという限られた道具を使って表現するお話を想像する力が必要な演芸です。話の内容によっては子どもには難しいものもありますが、想像力を働かせるということは大人より子どものほうがずっと得意ですよね。 CDの次はDVD。その次は実際の寄席を観に行きたいということで、子どもと一緒に行けそうな寄席を調べては一緒に訪れてみました。寄席によっては未就学児入場不可のところもありますし、入場可のところでも、当然途中で騒ぐようなことがあってはいけません。 息子がDVDをみて好きになった噺家さんの公演や長期休みなどに開催される子供向けの寄席を探しました。実際に訪れてみると、寄席の楽しさというのは想像以上で、落語以外にも紙切りや太神楽などは子どもが夢中になりますし、出囃子の太鼓なども新鮮です。事前に寄席についての解説もDVDで予習していきましたから、追い出しの太鼓を聞いて、「あれだ!」なんて喜んでいました。 そして、寄席の中でも国立演芸場に落語を観に行くと、歌舞伎や文楽のパンフレットが落語のものと一緒に並んでいて、「次はこれが観てみたいなあ」なんていう会話に。そこから、機会があれば親子で様々な伝統芸能を楽しみたいなあと思うようになりました。今では、子どもと一緒に楽しめる趣味のようでとても楽しいです。 伝統芸能を通して季節を感じるなんていうのもとっても乙だと思います。皆さんも子どもと一緒に楽しみながら、ぜひ伝統芸能に触れてみてくださいね。
青木 裕子