トランプ氏の成績表はS&P500種、株安容認せずとウォール街は期待
シーバートのマーク・マレク最高投資責任者(CIO)は「通商交渉で優位に立つための手段として関税の脅威をちらつかせることと、実際に発動することは全く別の話だ」と指摘。トランプ氏が株式市場の動向に敏感であることを踏まえれば、理論的には過激な行動を抑えるだろうと述べた。
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)らウォール街首脳も、こうした見方に同意しているようだ。ダイモン氏は14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)CEOサミットで、トランプ氏の関税の脅威が「人々を交渉の場につかせる」だろうと指摘。とはいえ、トランプ氏は株式市場の急落を招くのは避けたいと考えるとの見方を示した。
もっとも、関税リスクを意識して、影響を受けると予想される企業の株式を先行して売却する動きも出ている。米国市場に上場しているものの、中国で事業を行う企業で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は、米大統領選以降に8.9%下落している。コカ・コーラとペプシコも同期間にそれぞれ約5.5%値下がり。ハスブロも7.1%下落している。
原題:Trump’s Scoreboard Is S&P 500, and It’s Wall Street’s Best Hope(抜粋)
--取材協力:Alexandra Semenova.
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Carmen Reinicke, Esha Dey