仙台育英と立命館宇治が中心 神村学園の猛追にも注目 長野東や薫英女学院が迫るか/全国高校駅伝展望・女子
全国高校駅伝は12月24日、京都市のたけびしスタジアム京都発着で行われる。ここでは5区間21.0975kmで争われる女子第35回大会のレースを展望する。 女子の大会記録、高校最高記録、区間記録をチェック!
総合力の仙台育英&立命館宇治、エースの神村学園
今回は5年に1度の記念大会として、例年の47都道府県代表に11の地区代表が加わり、58校がクリスマスイブの都大路を激走する。 今季のトラックシーズン、過去の都大路での実績や経験を踏まえると、仙台育英(宮城)と立命館宇治(京都)が優勝争いの中心で、神村学園(鹿児島)が迫る構図となりそうだ。この3校は、3000mの上位5人平均がいずれも9分16秒で並ぶ。 2年ぶりの優勝に挑む仙台育英は、前回2位のメンバーから2区を務めた留学生のデイシー・ジェロップ、3区を走った長岡みさき、アンカーだった細川あおいの2年生トリオが中心となる。 今季は橘山莉乃(3年)が台頭し、3000mでは日本人チームトップの9分16秒07をマークしている。1年生にも3000mで9分16秒76の磯陽向がおり、飛び抜けたエースはいないが、上位層は充実している。 県大会は、コンディションが万全でなかった長岡を温存しながらも1時間7分49秒。1区の細川は19分07秒で駆け抜けた。他の選手もその後のレースで好走。長岡は11月下旬に5000mで15分56秒99、橘山は終盤転倒しながらも16分04秒26の自己新を出すなど、2年ぶり6回目のVへ盤石の態勢を整えつつある。 2年連続4位の立命館宇治も選手層は厚い。前回1区3位と健闘した山本釉未(3年)を筆頭に、4区区間8位の池田悠音(3年)、インターハイ1500m7位の大西桃花(2年)の三本柱で臨む。3000mのベストでは山本が9分07秒90、大西が9分11秒78、池田が9分15秒76とエース級のタイムだ。 府大会では大西を温存。山本が1区を19分17秒で走破し、2区の池田とともに区間賞を獲得している。近畿大会では2区・山本、3区・池田、4区・大西と短距離区間に三本柱を配置し、2区から3連続区間賞で強豪ぞろいの近畿を1時間9分13秒で制した。 今年は3月の春の高校伊那駅伝、6月の全国男鹿駅伝、10月のくらよし女子駅伝をいずれも制し、府大会や近畿大会を含めて駅伝では負け知らず。例年、府大会から近畿大会、そして全国と約1分半ずつタイムを縮めてくるだけに、11年ぶり4回目の優勝を目指して、どこまで仕上げてくるか。 5年ぶり2回目の優勝を狙う神村学園は、インターハイ1500m・3000m2年連続2冠に輝いた留学生のカリバ・カロライン(3年)を軸だ。気温が30度に迫るコンディションだった鹿児島県大会は1時間7分38秒と予選トップタイム。カロラインが5区(5㎞)を14分33秒と驚異的なタイムで突っ走った。 県大会はカロライン以外1、2年生を起用。1区の瀬戸口凜(1年)、2区の黒神璃菜(2年)、4区の小倉陽菜(2年)は3000m9分20秒台前半のベストを持つ。小倉はカロラインとともに前回の都大路を経験している。また、瀬戸口は1年生ながら県大会は1区、九州大会はアンカーを務めており、本番でも主要区間に担うだろう。これまでの傾向から、カロラインを5区に配置して、終盤勝負の可能性が高い。区間記録(14分37秒)更新も十分あり得る。 アンカー・カロラインで想定すると、仙台育英や立命館宇治は4区終了時に少なくとも1分10秒は先行したいところ。それよりも差が小さければ神村学園が逆転する可能性が高まってくる。また、仙台育英と立命館宇治が優勝を争う場合、実績のある立命館宇治・山本の区間がポイントとなりそうだ。