「さすがに紅白は想像してなかった(笑)」 桐谷健太が大切にするブレない軸「好きやから行動」
俳優としての信条は「子どもの頃の自分が喜ぶ自分で」
――座長として意識されていたことはありますか。 「前作からのメンバーもたくさんいるので、そこにはとても支えられました。何より自分がご機嫌で楽しくやるということが大切で、それはきっと伝染していくと思うんです。撮影はタイでスタートしたので、屋台とかいろんなとこでの飲み会も主催させていただきました。それによって、タイのスタッフさんとも一体感が出てきますし、夜ご飯を共にするだけで一体感が生まれましたね。あとはみんながやってくれるだろうという感じだったので、そのちょっとしたきっかけは作れたかもしれないですね」 ――『インフォーマ』への思い入れがとても伝わってきますね。 「むちゃくちゃワクワクする作品ですね。とにかく自分が『楽しんでるぜ』『生きてるぜ』という感度を上げていきたいんです。それが上がっていけば、どんな作品も面白くなるし、今までと違う芝居にもなると思います。『インフォーマ』はそんな背中を押してくれるような作品になったと思います。すごく感謝しています。これからも思いっきりやりたいですね」 ――桐谷さんは自然体なイメージがありますが、意識している点などはありますか。 「自然体っていうのは、人が見た時に決めてくれることで、自分で『これが自然体や』とは分からないですね。でもワクワクを意識しています。役者をやりたいと思った子どもの頃の自分が、今の僕を見て『めっちゃええやん!』と言ってくれるような自分でありたいなと思っています」 ――現在までずっと変わらず、その思いで続けられてきたのでしょうか。 「いやいや、全然ですよ。めちゃくちゃ落ち込みまくる時期もありましたし、考えすぎる時期もありました。でも、そういう時こそ『じゃあどうなりたいんや』と考えて、なりたい方をイメージして、『そっちの方角に行ってみよう』みたいな感じでやれてきてますね。なので、どれもあってしかるべき経験だったんだなと思っています」 ――経験という意味では、過去には紅白にも出られたりもしていましたね。 「さすがに紅白は想像してなかったですもん(笑)。結局、人間って好きなこと、やりたいことをやっていればいいんやな、と思えたことでもありました。中学の時に沖縄に初めて行って、飛行機から降りて風が吹いた瞬間に、鳥肌がバーって立って、懐かしいと思ったんですよ。ルーツはないけど顔の濃さ的には南の方かなとは思っていたんで(笑)。そこから三線の音色とか、沖縄民謡をすごくいいなと思うようになったんです。 20代になった頃、偶然大阪の実家の近くに三線の店ができたんです。『そんなことある?』って(笑)。で、そこの店長とめっちゃ仲良くなって、実際に三線をやるようになったんです。それでバラエティーで三線引いたり、ドラマで歌ったりしていたら、auのCMプランナーの方が見てくださっていて、『海の声』が誕生しました。作曲もBEGINさんにお願いしてね。 三線は、『芸能の仕事で武器になるかも』と思ってやっていたわけではなく、ただ好きで『この音色気持ちええわ』という思いでやっていただけなんです。努力しようではなくて、気がついたら好きやから行動してしまう。そんなことをやっていたいなって。それをやっていればおもろい方向に行くだろうなと思っています」 スタイリスト:岡井雄介 スーツ、ネクタイ:TAKEO KIKUCHI/他スタイリスト私物 ヘアメイク:岩下倫之(ラインヴァント)
中村彰洋