田村ゆかり、東京ガーデンシアターで魅せた多彩な表情、王国民への感謝も「ありがとうの気持ちでいっぱいです」
田村ゆかりのライブツアー「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2024 *Honey Bunny*」の東京公演が、9月7日と8日の2日間にわたり東京・東京ガーデンシアターで開催された。今年5月29日にはライブツアーに先駆けてミニアルバム「I love it♡」をリリースし、声優だけではなくアーティストとしても精力的に活躍している。ここでは8日に行われた2日目の模様をレポートする。 【写真を見る】「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2024 *Honey Bunny*」ライブの様子 ミニアルバム「I love it♡」に収録されている新曲「Poppin' Magic」でライブをスタートさせた田村は、王国民(※田村ゆかりファンのこと)によって染め上げられたピンク色の空間の中、同じく新曲の「好きしかありえない」をパフォーマンス。冒頭のMCでは「昨日はめちゃくちゃ緊張していて......今日もほどよく緊張しています」と心境を明かしていた田村。1日目の公演では緊張のあまり喉がカラカラになってしまい、王国民が心配するという事態も。序盤からゆかりん節全開で、いきなりステージに座って休憩したり、王国民と「ライブを見に来てるのに緊張って意味分からなくない?」というやりとりをしたりと、会場を和ませた。 序盤のセットリストはミニアルバム収録曲中心の構成となっており、「Sweet alert」「キャラメル」「トーキョーキャンディーガール」とアップテンポなナンバーを披露し、バックダンサーの桃色メイツとともに盛り上げた。田村のライブで定番となっている場面転換時の映像ではバーチャルデートや「わたがしを作ってみよう!」といった映像が流れ、王国民たちは田村の挑戦を温かく見つめていた。 映像を挟んだ後はアコースティックのコーナーへ。「エアシューター」で会場をムーディーな雰囲気に包みこんだ後は、そのまま次の曲に行くかと思いきや、田村は大好きなアルフォートに関するトークで会場を笑いに包む。「夢色ラビリンス」では王国民からのクラップが起こり、会場が一体感に包まれると、「you」では照明が落とされ、しんとした雰囲気の中、田村の伸びやかな歌声だけが響き渡った。 中盤ブロックではステージ中央から登場した田村。幻想的なサウンドが印象的な「スーパーノヴァ」では、紗幕に星空が映し出され、まるで宇宙にいるかのような演出が見られた。一方で「逆蜻蛉」ではゴシックな世界観で、かっこいい"田村ゆかり"を表現。会場の規模を超えてくるライブ演出に加えて、田村の歌声のバリエーションにはいつも驚かされる。 田村のラップも見どころとなっている「You Are The World!」ではステージを縦横無尽に駆け回り、「Honey Moon」では王国民の「ゆかりん!」コールに包まれた。「Paradoxx.」における田村のパフォーマンスは別格。田村がファンに向けたクールなまなざしに釘付けになったファンも多かっただろう。アイドル"ゆかりん"からアーティスト"田村ゆかり"へと変貌した瞬間だ。 ここからはいよいよ終盤ブロックへ。「Vanilla Lover」では田村と王国民のクラップが巻き起こり、まだまだライブの熱量は衰えない。MCではランチビュッフェについての話で盛り上がり、田村は「盛り付けが下手くそなの。多分だけど欲が深すぎて取れない」とビュッフェが苦手であることを告白。過去にランチビュッフェに行った際に、あまりにも食材を取らないあまりレジでお店の方から「お口に合いませんでしたか?」と言われたこともあるそう。それでも田村は「趣味にビュッフェ巡りを書きたい」と意欲を見せ、場内からは笑いも起こった。 「Wonder habit」「期待しないで」の2曲を披露すると、「La La Love call」の曲中ではバンドメンバーの桃色男爵とバックダンサーの桃色メイツを紹介。「Exactly」の田村の力強く振り上げた拳に呼応するように、王国民も拳で応える光景は圧巻だった。本編ラストには「逢うたびキミを好きになる」で締めくくった。 王国民からのアンコールが巻き起こると、衣装をチェンジした田村が登場し、「Only oneのあなたのせいよ」をパフォーマンス。歌い終えてもなお、王国民からの盛大な拍手が鳴り止まない。MCでは客席とのコミュニケーションを取りながら、マイペースにトークを進めていく。この距離感が田村ゆかりのライブの良さだなと再確認できたライブでもあった。 「残り少ないですが楽しんで行きましょう!」と語って披露されたのはポップなラブソング「くちびるプラトニック」。「うらはら兎のねがいごと」を歌い終え、バンドメンバーやダンサーを見送った田村は、ひとりステージに残り「みんなの人生に関わらせていただいてありがとうの気持ちでいっぱいです」と王国民に感謝を告げた。ここで終わりかと思われたが、ここでもう一度バンドメンバーとダンサーがステージに登場し、ダブルアンコールとして「Super Special Day」を披露。パフォーマンス中に観客席に降りるというサプライズもあり、王国民は大盛り上がり。ライブの最後にふさわしいフィナーレを飾った。 取材・文=川崎龍也
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