ジャイアントパンダがもたらす経済効果
【東方新報】6月は、日本に滞在しているジャイアントパンダたちが一斉に誕生日を迎える時期だ。23日には、東京の上野動物園(Ueno Zoo)にいる双子のジャイアントパンダ「暁暁(シャオシャオ、Xiao Xiao)」と「蕾蕾(レイレイ、Lei Lei)」が3歳の誕生日を迎えた。一方、少し前の12日には、昨年中国に帰国した「香香(シャンシャン、Xiang Xiang)」が7歳の誕生日を迎えた。日本国内では、これら3匹のパンダのためにさまざまな誕生日イベントが開催された。 「シャンシャン」は、日本にいたジャイアントパンダ力力(リーリー、Li Li)と真真(シンシン、Zhen Zhen)の娘だ。昨年2月に東京から四川省(Sichuan)雅安市(Yaan)へ帰国した後も、多くの日本のファンが彼女を忘れていない。誕生日当日には、数百人の日本人観光客が中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地を訪れて祝い、感動の涙を流す人もいた。この光景を目撃した中国人観光客は、シャンシャンが日本でいかに人気があるかに驚いたと言った。 50年以上にわたり、日本での「パンダブーム」は衰えることがない。ただ人気があるだけでなく、日本に滞在していた「パンダファミリー」はその卓越したビジネススキルと収益性の高さでも注目されている。日本のある学者は、シャンシャンが生まれてから帰国するまでのわずか6年間で生み出された経済効果が600億円を超えると推計している。 帰国後も、シャンシャンの経済効果は中日間で引き続き発揮されている。最も直接的な利益は観光業から得られている。現在、碧峰峡基地に絶え間なく訪れる国内外の観光客の中でも、特に日本からの観光客が注目されている。ますます多くの日本人がシャンシャンを訪れるために中国へ旅行し、中国への観光熱が高まっている。 中国駐大阪観光代表処の関係者は、パンダが好きな人びとをターゲットにした旅行プランの市場価値が徐々に明らかになっていると述べた。地元の文化観光関係者は、シャンシャンの帰国が雅安を世界的なジャイアントパンダ文化旅行の重要な目的地にするための新たな活力を注入し、雅安の文化観光事業の発展をさらに推進していると語った。 観光業だけでなく、「パンダIP(知的財産)」がもたらす各種周辺製品も驚異的な販売力を見せている。日本の写真家高氏貴博(Takahiro Takauji)氏は、上野動物園のパンダを日々撮影することで知られ、一年以上にわたり数回雅安の碧峰峡基地を訪れてシャンシャンを撮影しており、中国へ帰国したのシャンシャンを主役にした最新の写真集は、初版だけで1万部を売り上げた。 中国の経営者やパンダ文化を愛する人びとも、パンダ経済の新たな機会を積極的に開拓している。パンダの「残飯」を環境に優しい製品に変えたり、パンダが食べ残した竹を使用して「竹漿紙」の原料とするなど、四川の地元の製紙工場がそれを回収利用し、持続可能な開発産業チェーンを探求している。「竹漿紙」は、京東(JD.com)で年間販売量が約100万パックに達している。 ジャイアントパンダはまた、世界の生物多様性保護の象徴種だ。中国はすでに20か国26機関とジャイアントパンダの協力交流を行っており、パンダの飼育・繁殖、疾病予防治療、野生復帰の取り組みなどの分野で一連の技術的課題を共同で克服している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。