“冬眠明け”前に「クマ対策」を…警察とハンターが連携し合同訓練 雪解け前の実施は初めて…一方、警察庁の「ハーフライフル規制」により担い手不足に拍車か
UHB 北海道文化放送
クマが冬眠から目覚める前に対策を強化しようと冬の時期としては初めての合同訓練が旭川市で行われました。 「爆竹での追い払いを実施。クマの動向を監視する、どうぞ」(警察官) 訓練は年々、クマの出没が増えていることを受け雪解け前のこの時期としては初めて行われました。 北海道旭川市や警察、猟友会のメンバーら約20人が参加し、爆竹でクマを人気のないところに追い払ったあと、ハンターが銃口をふさいだライフルを使って駆除するまでの連携が確認されました。
「こういう機会をもっと増やしてもらって。かわいそうだという人もいますが、私たちも殺したくて駆除するわけじゃない」(北海道猟友会旭川支部 広永賢一さん) 「猟友会の協力も仰がなければいけない。皆がそろった訓練は必要」(旭川中央警察署 鈴木隆 地域課長) 警察によりますとクマの出没などの通報件数は、2022年が約2200件でしたが、2023年は約4000件と2倍近くに増えています。 市や警察などは連携を強化し冬眠明けのクマの対策を徹底していく考えです。
一方、こうした警察と猟友会によるクマ対策が進むなか、心配なこともあります。 比較的初心者のハンターでも所持できる「ハーフライフル」が規制強化され、今後所持できなくなる可能性があるというのです。 警察庁は、2023年に長野県で起きた殺人事件で使用されたことを理由に、初心者がハーフライフルを所持できなくなるよう規制の強化を目指しています。
ハーフライフルは射程が約150メートル。一方、散弾銃だと射程は3分の1ほどの50メートルと短くなります。 命中率・威力ともハーフライフルに劣る散弾銃では、獲物に近づかないと撃てないので、ハンターがクマに反撃されるおそれが出てきます。 規制が本格化すれば、ただでさえ深刻化している クマやシカ駆除の担い手不足に拍車がかる恐れがあり、道をはじめ関係者は危機感を強めています。
UHB 北海道文化放送
【関連記事】
- 散弾銃じゃヒグマと対峙できない…クマやシカによる被害相次ぐ北海道 「ハーフライフル」国の規制強化で狩猟態勢が大ピンチ…道が警察庁に対策を要請
- 北海道釧路市でヒグマの管理捕獲実施 警戒心植え付け出没回数減らす ハンター育成の目的も
- ヒグマに立ち向かうハンターの世界に異変…北海道で狩猟免許取得をめざす若者が増加…しかし”熊撃ち”になるには険しい道のりが「5年10年は経験を積む必要」
- 「クマは5年、10年の経験を積まないと」”一人前のハンター”への道…“クマやシカ被害”相次ぐ北海道 5年目の若手ハンター「経験積む」日々に密着
- 「ハンターになりたい!」若手の受験希望者が意外にも増加中…”ヒグマやエゾシカ”による被害が相次ぐ北海道 担い手不足の中 それぞれが目指すワケとは