トランプでもプーチンでもない…"右翼雑誌"編集長が安倍元首相に聞いた「各国首脳で一番馬が合った人物」とは
■石破総理の評価 【梶原】2024年9月の総裁選直前には、高市早苗議員の増刊号を出しています。 【花田】1週間で作ったんだけど、結構面白かったでしょ。増刊号に再録した、彼女が松下幸之助さんについて書いた文章はとてもいいものでした。高市さんを応援してはいるけれど、まだまだ不満なところもあるよね。 【梶原】ただ、岸田政権を評価しなかったことで、結果として石破政権が誕生してしまいました。 【花田】それは本当に困るけどな(笑)。小川栄太郎さんにもそう言われてたんだけど。総裁選のときに石破氏が「男はつらいよ」の寅さんの格好をしていたじゃない。面白くないし、似てもいないし、なんなんだろうね、あれは。 【梶原】花田さんは石破総理が以前からあまり好きではないですが、雑誌には一度、登場してるんですよ。 【花田】え、そうだっけ? 【梶原】2014年2月号に〈「特定秘密保護法」で情報公開は進む〉(聞き手・田村重信)です。 【花田】そうか……。まあでも自分の感覚で言うと、言っていることもやっていることも、顔も好きじゃないから。話は面白くないし。 【梶原】石破政権を批判するにしても、反権力とか、権力の監視などというのとは違いますよね。 【花田】違う違う。ぼくが好きじゃないというだけ(笑)。 ■「文春砲」は好きじゃない 【梶原】花田さんの場合はそういう好き嫌いの感覚が、読者と合っているから雑誌が売れるんでしょうね。対象が政治家にせよ、芸能人にせよ、作家にせよ。 【花田】昔、『週刊文春』の合併号の時に「こいつだけは許せない」という特集をよく組んでたんだけれど、読者の反応は良かったよ。もちろん、誰を取り上げるかは編集部のみんなといろいろ相談したりはするんだけどね。他の雑誌も真似して、似たような企画をやっていたけれど、つまんないんだよ(笑)。 作家の大石静さんから、「花田さんは人気絶頂期から少し落ちてきたころの、叩きがいがある人やタイミングを見極めるのが絶妙」と言われたことがあるけれど、そういうことなのかもしれない。 【梶原】「なんか最近、鼻につくよな」というのがわかる嗅覚がある、と。2010年代に『週刊文春』が部数を伸ばしたときに編集長だった新谷学さんは「文春砲」と呼ばれていましたが、花田さんはその元祖ですか。 【花田】ぼくは「文春砲」って好きじゃないんですよ。もちろん、政財界の大きな事件なんかは張り込んででも取材すべきだと思うけれど、若い芸能人が恋愛した、不倫したって話を、何人も、何日もかけて追いかけてどうするの、と。しかも、1週、2週ならまだしも、何週にもわたってやるでしょう。そんなに何週もやるような話かねぇ、と。