「ウルトラマン」アラシ隊員から「笑点」の座布団運びに!? 毒蝮三太夫が当時を振り返る「“冗談じゃないよ!”って思っていた」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。7月22日(月)のお客様は、タレント・俳優の毒蝮三太夫さんと浅草キッド・玉袋筋太郎さん。ここでは、毒蝮さんが出演していた「ウルトラマン」(TBS系)や「笑点」(日本テレビ系)のエピソードを語ってくれました。
◆科学特捜隊から、座布団運びへ…
毒蝮:俺は「ウルトラマン」のアラシ隊員で、正義の味方として日本を、地球を助けていたわけだよ。 玉袋:そうですね。 毒蝮:だって、俺がゼットンを倒したんだよ! 玉袋:スパイダー(ショット)で? 毒蝮:岩本博士が作った無重力弾で。「一発しかないから、射撃のうまいアラシ隊員、絶対しくじるなよ!」って言われて、俺が打ってゼットンを倒すんだよ。 玉袋:ゼットンを倒すって、すごいですよ! 毒蝮:そのちょうど同時期だよ。「笑点」で座布団を運ぶ……これはつらかった。 玉袋:ハハハ(笑)。メンタルの部分ですよね。 毒蝮:だって、(五代目 三遊亭)圓楽、(三遊亭)小圓遊、(林家)こん平、(桂)歌丸……もう怪獣みたいなやつばっかりだよ(笑)。 玉袋:そうですよね。 毒蝮:それで、はじめは二つ目の(三升家)勝松っていうのが座布団を運んでいたの。何も言わないで、ただ出したり運んだりして。だけど(初代司会者の立川)談志が「それじゃ面白くないから、誰か(座布団を)引っぺがす奴がいたほうがいい。でも、前座や二つ目では(立場的に)できないから、違った(ジャンルの)やつ……じゃあマムシがいいや」って。 玉袋:(笑)。 毒蝮:っていうのも、俺は談志と日テレで5分ぐらいのドラマコントをやっていたのよ。 玉袋:えぇ!? * 毒蝮:そのVTRは残っていないんだけど、それを「笑点」が始まる前にやっていたこともあって、俺に(座布団運びのオファーが)来たのよ。でも俺は「ウルトラマン」をやっているわけじゃない? だから“冗談じゃないよ!”って思っていたの。 玉袋:ハハハ(笑)。科特隊(科学特捜隊)からなんで「笑点」に行くんだと。 毒蝮:そうそう、正義の味方で怪獣をやっつけているのに(笑)。それで“嫌だなぁ”と思いながらも(引き受けて)後楽園ホールで収録するんだけど、子どもがたくさん来ちゃったんだよね。 玉袋:“アラシ(隊員)が来るぞ!”ってことで? 毒蝮:そう! そうしたら、圓楽さんやら(笑点メンバー)が「うるせぇな! お前たちに分かる番組じゃねぇんだ!」って怒っちゃって。談志も「向こう行け!」って怒って。 玉袋:えぇ~! 毒蝮:だけど、俺が出てくると「アラシ! アラシ!」って子どもたちがシュプレヒコールをするんだよ。 玉袋:そりゃそうでしょ! 毒蝮:それから俺、(大喜利の問題)3問のうち1問を答えていたのよ。 玉袋:えぇ!? ちゃんとお題の1問を答えていたんですか? 毒蝮:そう。だって、ただ(座布団を)出したり、引っぺがしたりするだけじゃ面白くないじゃん。だから「俺にもやらせろ!」って立ったまま答えて、でも全然ウケない(笑)。10回に1回ぐらいウケるときもあったけど。 玉袋:えぇ~!? それは(レギュラーメンバーの答えが)ハイレベルすぎたんじゃないですか? 毒蝮:っていうかね、要するに雰囲気が違うわけよ。役者の俺が答えているから。 玉袋:まだ役者の味というか、においがついちゃっているわけですね。 毒蝮:アラシ隊員がそこでシャレを言ったって、そりゃ変なもんだよ。それで談志が「見ろ。素人はウケねぇだろ? あいつはバカなんですよ。背中に“バカ”って書いてありますからね」って、そんなことばかり言うもんだから、俺は頭にきて帰っちゃったことがあるんだよ。2本撮りの1本目が終わったところで。 玉袋:あら。 毒蝮:そうしたらディレクターが追っかけて来て、連れ戻されて(2本目も)またやったという。でも、その瞬間は辞めようと思っていた。 玉袋:でも「バカだな」って談志師匠がイジっていたのは、毒蝮師匠にスポットライトを当てるためだったかもしれないですね。 毒蝮:今考えると、そうだったかもね。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」2024年7月22日(月)放送より)