もうペナルティありません 松山英樹が2度打ち「あっ!と思ったら…」
◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 初日(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72) 【画像】松山英樹が2戦連続Vへ好発進<ハイライト動画> 2位発進を決めたこの日、松山英樹の「67」のラウンドに珍しいシーンがあった。後半15番、グリーン手前の深いラフからの3打目。9yd先のピンを目がけウェッジでアプローチを放った直後、フォローでクラブヘッドがもう一度ボールに当たった。 “2度打ち”のシーンで一瞬、頭によぎったのはペナルティ。「あっ!と思ったら『そうだ、ルールが変わっているんだ。ラッキー』と思った」という。かつては1罰打が付いていたシーンだったが、2019年の改正で罰打の対象から外れた。 「プレーヤーのクラブが偶然に2回以上球に当たった場合、1回のストロークとなるだけで、罰はない」(規則10.1)のが現行ルール。松山はボールが止まった地点から次の4打目のパットを放ち、3mを外してボギーにした。 深いラフから、ふわりと上げるアプローチを狙ったからこその珍プレー。幼い頃を振り返っても、試合での2度打ち経験は「うーん、言われてみれば…という感じで。ないのかなあ…。練習ではいっぱいあるんですけどね」と思い浮かばない様子だった。 プロゴルファーの2度打ちは1985年「全米オープン」での陳志忠(台湾)の悲劇が広く知られている。単独首位で迎えた最終日、5番グリーンサイドのラフからのアプローチで発生した。同ホールは罰打を含む「8」でリードを失い、最終的にアンディ・ノースに1打差の2位。アジア出身選手として、当時のメジャー初制覇を逃した。(フロリダ州オーランド/桂川洋一) ■ゴルフ規則10.1 球を正しく打つこと ストロークを行う場合: ・プレーヤーはクラブと球の間に一瞬の接触があるようにクラブヘッド(どの部分でも)で正しく球を打たなければならず、球を押し出したり掻き寄せたり、すくい上げてはならない。 ・プレーヤーのクラブが偶然に2回以上球に当たった場合、1回のストロークとなるだけで、罰はない。