『アンメット』杉咲花と若葉竜也が生んだ“奇跡の長回し” ミヤビと三瓶の関係性にも変化が
ミヤビ(杉咲花)に包み込まれていた三瓶(若葉竜也)が、ミヤビを包み込む側に
また、個人的には、最初はミヤビに包み込まれていた三瓶が、だんだんとミヤビを包み込む側に回っていくのにもジーンときた。この2人は、どちらかが支えるのではなく、持ちつ持たれつでお互いの足りないものを補い合い、生じてしまった影を消す努力をしながら生きていくのだろう。そんなふうに思っていたのに、最後のミヤビの発言で、一気に現実に引き戻されることになる。 ミヤビは記憶障害を抱えながらも前向きに明るく生きているように見えるが、絶望をたくさん乗り越えてきたし、これからも乗り越えていかなければならない問題は山積みだ。だからこそ、リスクを取ってでもその先に少しでも光があるのなら、手を伸ばしたくなる三瓶の気持ちも分かる。その一方で、もっと影が濃くなってしまう可能性があるのに、進んでしまうことを恐れる大迫(井浦新)の想いも分かるからこそ、苦しい。 ミヤビの記憶障害の原因が、ノーマンズランド(=決して人がメスを入れてはいけない領域)にあると知ったとき、三瓶はどうするのだろうか。残すところあと2話となってしまった『アンメット』。演者、監督、カメラマン、照明部、録音部……作り手全員の“いいもの作りがしたい”という気持ちがひとつになって出来上がった名作を、最後までじっくり見届けたいと思う。 参照 ※ https://ameblo.jp/dorubako-taka/entry-12855787269.html
菜本かな