ECB、夏に連続利下げか-初回6月ほぼ確実、議論の焦点は2回目に
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)の6月の初回利下げがほぼ確実になる中、議論は2回目の利下げの時期へと移っている。
焦点は、ECBが6月の初回利下げ後、7月に連続利下げに踏み切るか、少なくとも9月まで待つかだ。
ラガルド総裁が11日の政策発表後の会見で打ち消したとしても、追加利下げについての議論は既に始まっている。ムーディーズ・レーティングスのエコノミスト、カミル・コバル氏によれば、数人の当局者が2回目の利下げ時期について直接的に考えを表明している一方、今週利下げという選択肢も残されていると主張し、より間接的に今後の道筋を形作ろうとしている当局者もいる。
「ハト派は7月利下げを実現させるために今、地ならしをしていると思う」と同氏は話した。4月の可能性を示唆して譲歩した実績を作り、後で連続利下げを強く主張できる下地を作っているのかもしれない。
ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、8月の夏休み前に2回連続の利下げを望んでいることを明確に表明している。チポローネECB理事は、ここ数カ月間当局を悩ませてきた賃金の大幅な上昇にもかかわらず、「速やかに」利下げを行う余地があると述べた。
マルタ中銀のシクルーナ総裁やフランス中銀のビルロワドガロー総裁は、今週に緩和を開始する可能性を排除していない。ポルトガル中銀のセンテノ総裁らは、弱いユーロ圏経済に打撃を与えないためには借り入れコストの引き下げが必要だと強調している。
ブルームバーグの調査に答えたエコノミストらは、今週の利下げは予想していない。エコノミストらは6月の緩和開始を広く予想しているが、大多数は翌月には一時停止するとみている。市場は現在、夏休み前に2回目の利下げが行われる確率2分の1強を織り込んでいる。
オランダ中銀のクノット総裁は、新たな四半期見通しが入手できる会合に集中したい意向を表明しており、2回目の緩和を7月よりも9月に実施する可能性を示唆している。ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は投資家に対し、最初の利下げが行われた後、その後のすべての会合で同じことが起こると結論付けるべきでないと述べた。