入湯税を150円から350円に引き上げ 来年10月1日から 福島県会津若松市
■東山、芦ノ牧両温泉の景観修繕に活用 入湯税の引き上げを検討していた福島県会津若松市は2025(令和7)年10月1日から、税額を標準税額の150円から200円増の350円とする。適用期間は10年間。入湯税の引き上げは福島県内の市町村で初めて。増額分を新設する市温泉地域活性化基金に積み立て、東山、芦ノ牧の両温泉地域の景観修繕を支援する財源に充てる。 26日、室井照平市長が記者会見で発表した。市は12月5日開会予定の市議会12月定例会議に、市税条例改正案と基金設立条例案を提出する。市は年明けにも東山、芦ノ牧の両温泉地の事業者向けに入湯税引き上げに関する説明会を開く。その後、市民や観光客向けに周知を図る。 東山、芦ノ牧の両温泉観光協会が連名で入湯税引き上げを求める陳情書を市議会に提出し、今年3月に採択された。休廃業後に放置された建物が観光地全体の景観を損ね、倒壊の危険性も高まっていると指摘。官民一体で魅力的なまちづくりを進めたいと訴えた。
市や両温泉観光協会で構成する市温泉地域活性化検討会は改善に向けたアクションプランを策定。施設解体・撤去などの工程を掲げ、10年間で約14億円の費用が必要とみている。東山、芦ノ牧の両温泉地にはコロナ禍前、年間約70万人の観光客が訪れていた。10年間で14億円を確保するためには、一人当たり200円の入湯税増額が適切だと算出した。 室井市長は「両温泉地は市にとって大きな観光資源の一つ。よりよいものになってほしいと引き上げに踏み切った」と述べた。