米大統領選を前に、ビットコインとS&P500のオプションが異なるトレンドを示す
ビットコイン(BTC)が通常、S&P500と足並みを揃えて動くという考え方は、今では一般的に受け入れられている。しかし、オプション市場の価格動向が相反する傾向を示していることから、アメリカの大統領選挙を前に、この正の相関関係が試される可能性がある。 10月7日、主要な暗号資産(仮想通貨)取引所デリビット(Deribit)に上場されているビットコインのオプションは、短期コールへの著しい偏りを示し、11月8日に予定されているアメリカ大統領選挙とその結果を反映していることが、分析プラットフォームのブロック・ショールズ(Block Scholes)が追跡したデータから明らかになった。 一方、ウォール街のベンチマークであるS&P 500に連動する短期オプションは、プットオプションに偏っている。 ビットコインのコールに対する需要が強いことは、選挙の時期にボラティリティの上昇や価格の上昇を予想しているトレーダーがいることを示している。コールオプションは、買い手に非対称的な利益をもたらし、価格上昇に対するヘッジや利益獲得を可能にする。 S&P500のプットオプションは、価格下落に対する保護を提供するものであるため、下落のボラティリティに対する懸念を示唆している。 ただし、ポートフォリオマネージャーによるテールリスクヘッジなど、いくつかの理由により、インデックスオプションの歪みはプットオプションにバイアスがかかるのが一般的であることに留意しなければならない。 それでも、ビットコインとS&P500のオプションの乖離は、「何か大きなことが起こる前兆だ」と、ブロック・ショールズのCEO兼創設者であるイーモン・ガシエ(Eamonn Gashier)氏は述べている。 「BTCとS&P500の間の強い正の相関が崩れて負に転じるか、あるいはこれらの市場のどちらかが価格設定を誤っているか。ビットコインが株式から切り離されるのを目の当たりにするのか、あるいは、どちらかの市場のトレーダーが不意をつかれるところなのか、ということだ」と、ガシエ氏はCoinDeskに語った。