熊本市保健所は、熊本市の洋菓子店シェ・タニが品質検査などの根拠がない賞味期限を表示して商品を販売したなどとして、行政指導にあたる再発防止策実施などの指示を出したと明らかにしました。 西嶋宏一郎アナウンサー 「洋菓子店のシェ・タニは、きょうも営業を休止しています。保健所によると、少なくとも1000個以上の商品が不適正な表示をして販売されていたことがわかりました」 　熊本市保健所は、9月18日から10月10日に立ち入り検査を実施。去年12月から9月19日までに、熊本市内の5店舗でチョコレート菓子「アマンドショコラ」少なくとも1027個を、本来すべき品質検査をせず合理的・科学的根拠なしに賞味期限を表示して販売したと指摘しました。 　シェ・タニに対し、製造・販売するすべての食品表示の点検と不適正表示の是正、確認体制の強化など改善措置を講じるよう指示し、11月15日までの報告を求めています。なお、健康被害は確認されていないとしました。 　また、シェ・タニはKABの取材に対し、アマンドショコラの賞味期限を記載したシールを複数回貼り換えて期限を延ばし、販売していたことを認めています。 　シェ・タニは「アマンドショコラは季節の商品であることを理由に、第三者機関への検査は依頼せず、製造から約1年は賞味期限が担保されると思い込んでいた」などと説明していて、谷誠志社長は「すべて私の責任であり、今後は保健所の指導に従うのは当然のこと、お客様に誤解を招く行為がないよう全社員一丸となり改善に努める」としています。 【解説】 　消費者庁の食品表示基準では、品質が比較的長く保持される食品においしく食べられる「賞味期限」、品質が急速に劣化しやすい食品に期限をすぎたら食べない方がよい「消費期限」を表示するよう定めています。 　期限については、客観的な試験・検査を行って、科学的・合理的に店が設定することになっています。 　今回、改善が指示された店では、バレンタインデー向け商品として「アマンドショコラ」を製造。類似商品の賞味期限は約1年としていましたが、この商品については、検査を行わず表示していた点が違反にあたると指摘されました。