国内2位の長期飼育マンボウが死ぬ 福井県の越前松島水族館、体重は154・46キロ
福井県坂井市の越前松島水族館は11月20日、2017年3月から飼育していたマンボウが13日死んだと発表した。2800日間飼育され、国内2位の長期記録となった。マンボウは生物学的に不明な点が多く、職員は「なぜ長く飼育できたかは正直分からない。経験を生かし長期飼育方法の確立に努めたい」と話す。死因は敗血症。死亡時の全長は163センチ、体重154・46キロで病理解剖でメスと判明した。 【写真】過去イチ大きい…全長4mのダイオウイカ 越前松島水族館は08年、マンボウ専用の水槽を設置し、本格的な飼育を開始した。同館によると、マンボウが常時見られる水族館は少なく、現在は国内で5館ほど。今回のマンボウは和歌山県の水族館から搬入された。搬入時は全長約70センチ、推定体重20キロだった。 国内の長期飼育記録1位は1990年に死んだ鴨川シーワールド(千葉県)の個体で、2993日。研究者らから34年ぶりの記録更新を期待されていたが、5月上旬から泳ぎや食欲が不安定となり、回復と悪化を繰り返していた。11月に症状が悪化し、13日午後3時ごろ死亡を確認した。 展示課の笹井清二課長は「何が起きるか分からず、気を張る生き物だった」と振り返る。「多くの人に成長を見守ってもらい、愛嬌(あいきょう)ある体形で人気だった。分からないことだらけの生き物の特徴を明らかにしていくことが水族館の意義。少しでも解明していきたい」と話した。同館は来年のマンボウ展示再開を予定している。