新山千春、公表しづらい不妊治療の実態を語る訳 実は芸能界でも不妊治療をしているケースは多い
そうなると、職場の理解はとても重要で、「不妊治療をしているから半休が欲しい」といえるような環境や上司の方の理解も必要になってきます。テレワークが浸透したとはいえ、まだまだ不妊治療への理解が十分でないがゆえに、治療で仕事を休むということには難しい面もあるのかもしれません。 ■先々の仕事の予定が組めない 私の場合は、事務所に「妊活を優先したい」と相談して理解してもらえたのは大きかったです。それでも、最初は「仕事がなくなってしまったらどうしよう」という不安がありました。正直、事務所の理解がないと治療自体を続けることは難しかった。
実際に治療を始めてみると、当然、通院の日はずらせません。ホルモン注射1つとっても、もらったものはすぐに冷蔵庫に入れて保管したいから、すぐ家に帰る必要があります。また、決まった時間に注射を打つ必要があるため、スケジュール管理や食事も治療中心に考えています。 そうなってくると先々の予定はなかなか組めないし、仕事の内容も制限される。お酒の仕事や激しく動く仕事も気を使いますし、地方ロケも注射や服薬の兼ね合いで、常に時間を気にしながらでした。今の20~40代は、共働き夫婦が占める割合いも多いので、こういった治療と仕事の両立の現状は広く知られるべきだとも感じています。
日本産婦人科学会が発表した2021年の体外受精による出生数をみると、6万9797人となっている。総出生数は81万1622人に対して、11.6人に1人(8.6%)が体外受精で生まれた計算だ。芸能界でも不妊治療を行っているケースは多いと新山さんはいうが、公表しづらい背景もある。 芸能界でも不妊治療を行っている方が多いのは現実です。ですが、それを公表しづらいのは、やはり仕事との兼ね合いが大きいのだと思います。私は幸運にも近い境遇の仕事仲間から色々なアドバイスを頂けています。
ママ友のジャガー横田さんのアドバイスで、毎日日記をつけるようになりましたね。インターネットやSNS、ブログを通して情報収集する方も多いですが、こうして直接話を聞けたことは本当に恵まれていると思います。 ■オープンにしにくい空気 芸能界の友人の中にも治療を行っている方が結構います。しかし、仕事への影響も考えるとなかなかオープンにできる空気ではまだないように感じます。 保険適用や技術・制度面を考えても、不妊治療を取り巻く環境が良くなっていることは間違いありません。その一方で政府が「異次元の少子化対策」という政策を掲げるのであれば、児童手当や教育面だけではなく、高齢出産へのケアや不妊治療への支援は、もう少し手厚く整えてほしい、と願う自分もいます。