仲田幸子さん、対馬丸めぐる秘話語る 91歳「喜劇の女王」講演会 宜野湾・我如古老人ク
宜野湾市の我如古老人クラブ(山本勇会長)は11月12日、同自治会公民館で結成55周年記念として喜劇の女王と称される仲田幸子さん(91)を迎えた特別講演会を開いた。 75年の役者人生を振り返った仲田さん。14歳で沖縄芝居役者を目指し、26歳で沖縄初の女性団長として「でいご座」を旗揚げした。しかし最初から順風満帆ではなく、沖縄テレビの水曜郷土劇場の放映、那覇市内での常打ち公演をきっかけに人気に火が付いたという。 十八番の「床屋のふくちゃん」などで喜劇の女王として人気を不動のものにしていった。その中で、1944年の沖縄戦の対馬丸撃沈事件に触れ、乗船料10円を工面できず、乗れなくなり「一度、死にやんじゃー(死ぬところ)した」との体験秘話もあかした。 仲田さんのトークショーに、約70人の老人クラブ会員が集まった会場は終始大盛り上がり。人生のモットーについての質問には「生きがいはくよくよせず楽しいおしゃべりとカラオケざんまい」と即答した。
ファンという呉屋和子さん(94)が「目の前での憧れの仲田さんのユンタクは、グソー(あの世)のお土産になります」と感想を述べると、会場はヤンヤの喝采に包まれた。 車いすながらなお現役人生を歩む。最後は会場の要望に応えて得意のカラオケで「島の女」、孫のまさえさん(52)が「肝(ちむ)がなさ節」を披露し締めくくった。 山本会長は「50周年にも講演してもらい大好評だった」と話していた。 (岸本健通信員)
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