イチゴの成長に遅れ「年内間に合うのかな」異例の暑さでケーキの“主役”も花がつかずピンチ【愛媛】
テレビ愛媛
クリスマスシーズンを迎える中、クリスマスケーキに欠かせない「イチゴ」が20日もピンチです。愛媛県内の農家や洋菓子店も戸惑っています。 今治市上浦町にある「井上苺園」です。24アールの園で1年を通して、4品種、約1万8000株のイチゴを栽培しています。毎年この時期はクリスマスに向けてイチゴを育てているのですが、成長の遅れに焦りを見せています。 井上苺園・井上洋平さん: 「この辺見てもらうと、全然花がない状態。この状態だと、年内間に合うのかな、という状態です」 1か月後のクリスマスに間に合わせるためには今の時期、多くの花がついていないといけませんが、開花は遅れています。 井上苺園・井上洋平さん: 「やっと(花が)咲き始めたんですけども、この状態だとちょうどクリスマスにイチゴがなるんですけども、おそらく大きい3Lというサイズ」 最初に咲く花からできる実は、3Lサイズと呼ばれる大きなイチゴ。しかし、クリスマスケーキに飾るイチゴとしては、少し小ぶりなMサイズが好まれます。このMサイズのイチゴは、最初の花が咲き始めてから2週間後に咲く花からしか実がとれないため、井上さんは毎年、クリスマス時期を逆算して育てているといいます。では今年はなぜ、開花が遅れているのでしょうか? 井上苺園・井上洋平さん: 「夏場が暑くて、根が傷み始めてて、本当は植えたくなかったんですけども、状態が悪くなるので、先に植えたんですよ」 原因は今年の猛暑。育てていたイチゴの苗が夏の猛暑に耐えられず、根が傷み始めてしまったため、少し早めて8月ごろに植え付けましたが、まだ開花していないといいます。 井上苺園・井上洋平さん: 「イチゴって、(苗を)植える時期がすごく重要で、寒くなってきてから植えないと、花がつかない状態になる」 暑すぎる時期に植えてしまった苗にはなかなか花が咲かず、これらの苗から「Mサイズ」のイチゴが採れるのは、クリスマスを過ぎた年明け頃になりそうだということです。 一方、9月頃に植えた苗はたくさんの花が咲き、実もなり始めていて、クリスマスにはちょうどいいサイズのイチゴが収穫できるということです。井上さんの園では例年、クリスマス前には1万粒、重さにして150キロものイチゴを出荷していましたが、今年は3分の2ほどに減る見込みだということです。 井上苺園・井上洋平さん: 「クリスマスにとれるイチゴが少ないと(ケーキ店に)説明させてもらって、カットしてケーキの中に入れるイチゴは、大きいイチゴを使ってもらえないかということを相談させてもらった」 こうしたクリスマスシーズンの「イチゴ不足」に、ケーキ店はどう対応しているのでしょうか。井上苺園からイチゴを仕入れている今治市内の「西洋菓子TSUKASA」では次のように対応しています。 西洋菓子TSUKASA・永井宏和シェフパティシエ: 「(イチゴを)飾りづらい状況になってきた、というのはありますね。チョコレートをメインにしたりとか他の素材を使って、おいしく召し上がっていただける商品構成を心がけるようにしています」 こちらのケーキ店では近年、クリスマス時期のイチゴが減っていることを考慮して、予約受付中のクリスマスケーキ8種類のうちイチゴを使ったケーキは3種類に厳選。例年約500個のクリスマスケーキを販売していますが、ここ数年はイチゴのケーキは半分から3分の1程度に減っているということです。 西洋菓子TSUKASA・永井宏和シェフパティシエ: 「ただやっぱり皆さんクリスマスといえば、花形のイチゴのショートケーキというのがメインになってくるので、そこがちゃんとおいしく召し上がっていただけるように努力はしている次第ですね」 #愛媛県 #今治市#イチゴ #クリスマスケーキ #花 #猛暑 #チョコレート #商品構成 #予約
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