冬を彩る「笹野花」 米沢で製作最盛期、火伏せの縁起物
米沢市笹野地区の笹野観音で毎年1月17日に開かれる恒例行事「十七堂祭」を控え、火伏せの縁起物として知られる造花「笹野花」の製作が最盛期を迎えている。 笹野一刀彫の産地である同地区。地元に自生するコシアブラを1カ月前後乾燥させ、小刀「チヂレ」で削ってらせん状に巻き上げ、繊細な形状に仕上げる。白木のままの花もあるが、赤や黄色に染め上げて完成だ。火伏せの縁起物として求める人も多いが、住民たちは生花が少ない冬季間に仏壇などに供えるという。 一刀彫職人の小山泰弘さん(42)=同市関根=によると、木を薄く加工するため乾燥させ過ぎず、適度な水分を含んだ状態を見極めることがポイント。「笹野花は一刀彫の原点とも伝わる。伝統の技で作られた冬の花を多くの人に楽しんでほしい」と話した。