国宝天守の床ぴかぴか 小学生ら隅々まで磨く
長野県松本市の松本城国宝天守で15日、市内の子供たちによる恒例の床磨きが行われた。地元の中央地区の小学生と子ども会育成会のメンバーら74人が参加し、開場前の午前7時半から1時間ほどかけて床の隅々までぴかぴかに磨いた。 天守の1~6階、辰巳附櫓、月見櫓に分かれ、松本城愛護団体の松本古城会が作った床磨きに使用する清掃道具「たんぽ」を使って作業した。 たんぽは粉末にしたクルミと米ぬかを団子状にし、布にくるんだ清掃道具で、布を床に塗り込むように磨くとクルミの油が染み出て汚れが落ちる。始めにたんぽで床を磨き、仕上げに日本手拭いでから拭きすると、床はつやを取り戻した。 開智小学校5年生の児童は「床の板の幅が広くて驚いた。ぴかぴかになって気持ちがいい」と話し、児童の父親は「床磨きを通じて松本城を大切にする心を養うことができたと思う」と話していた。作業後は松本城の研究専門員が、松本城の歴史や天守の成り立ちを紹介した。 床磨きは市が市民ボランティアを募って昭和62(1987)年から続けている。新型コロナウイルス感染拡大の期間は3年間中止したが、昨年再開した。子供が参加する床磨きは7月6日と9月7日にも行う。大人が参加する「一般床磨き」は6月19日と7月17日、9月4日に実施する。
市民タイムス