史上初、F1と歌舞伎が融合! 市川團十郎、父・十二代目團十郎が「ずーっとセナを見てた」と秘話明かす
歌舞伎俳優の市川團十郎(46)と長男の市川新之助(11)が24日、東京・東銀座の歌舞伎座で開催された史上初のF1ラスベガスGPパブリックビューイングイベントに出席。團十郎は来年4月のF1日本グランプリ公式アンバサダーに就任した。 「F1と歌舞伎の融合、開幕です!」。歌舞伎の殿堂にエンジン音が響き渡り、F1全盛期を彩った名曲「TRUTH」が流れる。大半が初めての歌舞伎座という観客約1800人で埋まった会場は異様な興奮に包まれた。 正面玄関前に1台、舞台上の両サイドにも2台のF1マシンを展示。その中央では團十郎が長寿や平和を祈る歌舞伎舞踊「延年之舞」を披露し、「成田屋!」のかけ声が飛び交った。團十郎親子とトークショーを行った佐藤琢磨(47)も、F1ドライバーとして初めて花道の”すっぽん”からせり上がって登場して盛り上げた。 大型画面でF1中継も堪能した團十郎は「すばらしいですね。初めて尽くしなのかな。拍手のタイミングとか、ふだん感じる歌舞伎座とは全然違う」と異色のコラボに感心した様子。新之助も「すごい迫力で、新幹線ぐらい速い」と興奮しつつ、「(舞台上の)右と左のマシンは全然ちがう。昔の歌舞伎と今の歌舞伎も全然ちがう。そういうところが共通してるのかな」と父顔負けの鋭い見方も披露して驚かせた。 トークショーでは父親の十二代目市川團十郎さんが「F1大好きだった」と知られざるエピソードも明かした團十郎。「おやじはずーっとF1(の中継)で(アイルトン・)セナを見てました。芝居がない時はほとんど見ていた」と”音速の貴公子”と呼ばれたセナのファンだったという。 アンバサダーに就任した團十郎はF1創設75周年を迎える来年、4月4日から6日にかけて三重・鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリで決勝レース前に歌舞伎舞踊を披露する予定。「現代の中で研ぎ澄まされていく技術の中で戦ってらっしゃる方々の様子を肌で感じる、拝見できる。自分の芸事への向き合い方、磨き方の刺激に現時点でなってる。楽しみです」とコメント。今年の漢字をリクエストされると「終始」と答え、「襲名披露が終わり、團十郎としてあらためて始まる」と心境を明かした。
中日スポーツ