/36 第79回大会(2007年) 犠打1の「超攻撃野球」
国際規格に準じた低反発球が初めて導入された2007(平成19)年の第79回大会。本塁打が前年より4本減る中、注目のスラッガー、大阪桐蔭の中田翔投手(日本ハム)が2回戦の佐野日大(栃木)戦で、星稜(石川)の松井秀喜内野手(元米大リーグ・ヤンキースなど)以来、15年ぶり10人目となる2打席連続本塁打を放った。 決勝に進んだのは、3年ぶり2回目の出場の常葉菊川(現常葉大菊川=静岡)と、希望枠(08年限りで廃止)で初出場した大垣日大(岐阜)。前年秋の東海地区大会準決勝で対戦し、その時は常葉菊川が勝利した。大垣日大を率いるのは東邦(愛知)で春夏計24回甲子園に出場し、平成最初の1989年のセンバツを制した名将・阪口慶三監督だった。 序盤から点の取り合いとなり、4-5とリードされた常葉菊川は八回、2死から前田隆一内野手と石岡諒哉捕手の連続長短打で同点。さらに敵失で一、二塁とし、高野敬介外野手が中前に適時打を放って試合を引っ繰り返した。先発の戸狩聡希投手を二回途中から救援した田中健二朗投手(DeNA)が最後まで投げ切り、熱戦をものにした。 常葉菊川の犠打は全5試合を通じて1にとどまり、バントを使わない「超攻撃野球」と呼ばれた。一方、大垣日大は出場校中最多の20犠打。ともに持ち味を発揮しての快進撃だった。両校は同年夏の全国選手権準々決勝でも対戦し、常葉菊川が勝った。=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ▽決勝 大垣日大 220001000=5 常葉菊川 11100012×=6