花火で元気になれた 被災地に笑顔広がる 氷見で富山新聞花火
●ひみ音頭踊り流しも 能登半島地震からの復興への願いを込めた光のショーに見物客が、未来への希望を感じ取った。3日、氷見市で行われた富山新聞花火大会では、氷見や高岡市内で被災した市民が鑑賞に訪れ、大輪が打ち上がる度に拍手を送った。会場の比美乃江公園は猛暑を吹き飛ばす熱気に包まれ、市民には「花火で元気になれた」と笑顔が広がった。 【写真】ひみ音頭を踊る参加者 氷見市窪の会社員林大樹さん(42)は妻が、同市栄町で営む菓子店が被災した。林さんは「落ち込んでいた妻も元気になり、2人で花火を見にきた。日常を取り戻そうとする力をもらえた」と話した。 液状化現象で高岡市伏木中央町の自宅を解体し、氷見市に引っ越してきた寺島文子さん(80)は横浜市に住む次女と孫2人と一緒に訪れた。初めて氷見の花火を鑑賞し、「地震で大変な思いをしたけど、この花火に元気をもらった。本当に見に来て良かった」と笑顔を見せた。 「花火から復興に寄せる思いが伝わってきた」。毎年花火を楽しみにしている氷見市十二町の荒戸美代子さん(77)は、今年の光のショーに感動した様子。被災家屋の後片付けの仕事に従事しており、「花火で心が和んだ」と語った。 8月に氷見市から高岡市に移った寺田和哉さん(43)は「ずっとこの花火を見てきたので今年も高岡から来た。心のよりどころになる」と家族で夜空を焦がす大輪を満喫した。 会場付近は花火の1時間以上前から家族連れらで埋まった。ひみまつりでは、安全祈願祭で林正之市長は「地震からの復興のために祭りを開催する」とあいさつ。夕方から、ひみ音頭の踊り流しが行われた。氷見建設業協会の油圧ショベル体験や飲食ブース32店舗が並ぶグルメランド、自衛隊・警察・消防車両の展示などでにぎわった。