選手たちよ、プロ野球を殺すな【川口和久のスクリューボール】
シーズン休止もある
新宿歌舞伎町。まるで映画のシーンのようだ/写真=Getty Images
俺がコラムのネタに悩んだり、球界の動きで疑問を感じたとき、いつも電話する男がいる。 元選手じゃないが、球界の裏の裏までよく知っている、同じ昭和34年生まれのスポーツライター、二宮清純だ。彼は愛媛県生まれで、大のカープファンでもある。何を聞いてもすぐ「川口、それはさあ……」と的確な答えが返ってくる。「ライターなんかじゃなく、NPBに入って野球界を変えてくれよ」と何度も言ったことがあるよ。 今回、あいつと話したのは年俸のことだ。年俸は、その年の活躍によってではなく、前の年の活躍によって翌年の年俸を決めて契約し、それが支払われていく形だが、今年はどのスポーツも休止状態だからね。 Jリーグではコンサドーレ札幌の選手たちが自主的に減俸を申し出て、総額1億円くらいになるという話があった。俺が「サッカー選手ってすごいよな」と言ったら、二宮がさらりと「そうしないとつぶれる可能性があるんだ」と言った。Jリーグは親会社ではなく、パートナー企業になるらしいが、札幌の場合、ほとんどが北海道の企業になる。北海道の経済界自体が観光を基盤としているところがあるから、今回のダメージは相当なものだ。観客収入がなく、放映権料にしてもダゾーンがJリーグ全体と10年間で2100億円の契約をしているが、試合がない場合、支払うのかどうか。ゼロじゃないとは思うが、相当な減額になるだろう。選手側の危機感が今回の減俸の申し出になったのでは、ということだった。 でも、じゃあ、プロ野球はどうなるのか。俺は正直・・・
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週刊ベースボール