<亀梨和也>「共同作業を楽しみたい」 変わってきた俳優としての姿勢
佐久間の行動を理解できるかという質問に、亀梨さんは「人には自分では測り知れない側面があるなという恐怖感はある。絶対にダメとわかっていてもやってしまう弱さは自分も持ち合わせていると、ときに考えることもある」と一定の理解を示しつつ、「仕事ではその追い込まれ方を意識的に利用する場合もあるけど、人に対して自分が思いがけないアクションを取ってしまうところまで行かないように」と言ってうなずく。
◇性格は役と正反対? 「行き当たりばったり」
樹理役の見上さんから「おちゃめ」と評されていた亀梨さんは、「なぜか無口な印象が強くて。別に無口じゃないし、あまり面白くないと思うけどボケたがりでもある(笑い)。そういう側面が実はあまり届いてない。僕は基本的にそっちで生きてきているつもりだけど」とユーモア交じりに話す。
そんな見上さんとは「現場の時間だけでは足りないと感じ、早い段階でお話の場を設けさせてもらった」と明かす。「役柄の関係値をどう掘り下げていくかについて良いコミュニケーションが取れた結果、現場でもスムーズなやり取りができた。エピソードの重ね方、流れの中でも良い詰め方ができたと思う」と成果を口にする。
共演者とのディスカッションを重視する姿勢は「より近年、強くなってきている」といい、「より多くの視点を持ちたいとか、より多くの意見を取り入れたい意識が高まってきた。求めていただいているものをより良く構築するにはどうすればいいかに対しての角度や思考に変わってきている。共同作業を楽しみたい」と変化を口にする。
“ゲーム”を仕掛ける側となる佐久間を演じる亀梨さんだが、自身は「あまりプランを立てないタイプ。計画を立てて生きていくことをもう少し取り入れなきゃと思うほど行き当たりばったり。何が起きるかわからない方が本質的には好きなのかも」と苦笑い。
「決して『自信があるから何が起きても大丈夫』という発想ではなくて。僕は思いがけないことが人並み以上になぜかあった方(笑い)。そうすると構築したことが崩れた場合のダメージがストレスになる。回避のために何かをなくした時期があったことが、今のベースになっているのかな」と分析する。