サヨナラ打は狙いの直球 神戸国際大付・関悠人 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、4年ぶり5回目出場の神戸国際大付(兵庫)が開幕試合で、10年ぶり13回目出場で昨秋の北海道大会王者・北海(北海道)に延長十回、3-2でサヨナラ勝ちした。 【大接戦!写真で振り返る開幕戦】 ◇神戸国際大付・関悠人選手 (延長十回1死満塁のチャンスでは)九回のミスを取り戻し、最後は自分で走者を還して試合に勝つ、といった気持ちで打席に入った。(サヨナラ安打は)狙っていたストレート。ベンチの指示もあるが、自分でも最初から狙っていた球。甘い球を打つと決めていたので迷わず振り抜いた。打った瞬間は「抜けろ」と無意識に言葉が出てしまい、抜けた瞬間は素直にうれしかった。春先から後輩たちの調子が上がってベンチスタートになったが、控え選手が活躍するのはチームが強くなっているということ。自分では、いつ呼ばれても最大限のパフォーマンスが出せるよう準備をして、気持ちも切らさないようにしていた。 ◇青木尚龍監督「勝たせてもらった試合」 神戸国際大付・青木尚龍監督 こんないい試合ができるとは思ってもみなかった。勝った瞬間はうれしかった。今大会は特別な大会。勝ち負けはたまたまで、ウチが勝たせてもらった試合だ。北海の木村大成投手はいい投手だった。右打者のインコースのひざ元に来る変化球が良く、ウチの打者は分かっていても振っていたので、途中から真っすぐに狙いを変更した。(十回1死満塁からサヨナラ安打の)関悠人はスクイズも考えたが、若いカウントでは積極的にいけと伝えていた。(二回途中から好投した)2番手の楠本晴紀はこの春に成長した投手。他にも(関悠人や九回に本盗を決めて同点とした坂本陽飛ら途中から出場した)ベンチ入りのメンバーが力を発揮してくれた。この喜びを応援していただいた皆さんに伝えたい。 ◇つなぐ意識で打席に 西川侑志主将 神戸国際大付・西川侑志主将 (自身の適時打で1点を返した)六回裏の3連打は、点差が少なく思い切り行った結果。自分の打球は高く上がり、フライアウトかなと思ったが、「落ちてくれ」と思いながら一塁まで走った。 延長十回は裏の攻撃だったので、どんどん打順を回していくことで得点できると思った。4番であればホームランや長打を期待されるが、自分にはそんな力はない。「つないでいこう」という意識でバットを振った。 相手先発の木村大成投手は1人で投げ続けていた。タイミングが合ってきたため、終盤にかけてしっかりバットが振れるようになった。相手投手の疲れも利用しながら打てたと思う。 組み合わせ抽選会で開幕戦を引いた時から、高校生らしいはつらつとしたプレーをすることをモットーに掲げてきた。大会開催のために多くの人が協力してくれ、皆の支えで甲子園のグラウンドに立てていると思うとうれしかった。一つ上の学年の先輩方が行きたくても行けなかった甲子園のグラウンドに立たせていただき、戦えたことをうれしく思っている。