"ショック"逆手に中古マンション再生事業をAIで急拡大
濱中 雄大(はまなか・たけひろ)/1966年生まれ。1988年株式会社ミヤマ(現レオパレス21)入社、2000年に同社を退社しホームネット設立。2020年に持株会社化、2021年に社名をproperty technologiesに変更した(撮影:尾形文繁)
2022年12月13日に東証グロース市場に上場した持株会社property technologies(5527)は子会社ホームネットで中古マンション再生事業を全国展開するほか、山口、秋田県で戸建て注文住宅請負を手がけている。AI査定の導入など業界に新風を吹き込む濱中雄大社長に、創業の経緯や今後の成長戦略を聞いた。 ――創業当初は不動産仲介業でした。マンション買い取り再販を始めたきっかけを教えてください。 学生時代からいつかは起業したいという思いがあり、2000年に34歳でレオパレス21を退社しホームネットを設立した。不動産仲介業からスタートしたのは資金が乏しかったからだ。売上高が3億円を超えた4年目くらいから金融機関の融資を受けられるようになり、投資用アパートの建築販売や建て売り住宅を始めた。 順調に売り上げを伸ばしていたが、2008年にリーマンショックが起きてからまったく売れなくなってしまった。融資を元手に土地を仕入れて建物を建てていたので、売れないと経営が行き詰まってくることを社長として初めて経験した。なんとか在庫物件をすべて売り切り赤字を免れることができたが、これから先も何が起こるかわからないなかで土地の仕入れから販売まで1年超かかる商売は厳しいのではないかと思った。 そこで注目したのが中古住宅の再生事業だった。日本も欧米のように中古物件にスポットが当たる世の中にいずれ変わってくるだろうと、2010年ごろに中古マンションに着目した会社に生まれ変わることを決断した。 仕入れたマンションのリノベーションは、戸建て建築をやっていた時の協力工務店にお願いできたので参入しやすい面もあった。最初は競売物件の入札から始めたが、安く買える分、居住者に立ち退いてもらうなど手間がかかって大変だった。社員が増えるとともに仲介業者からの情報を元に仕入れるようになり、競売物件は扱わなくなった。
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山本 直樹