融資を受ける際に言ってはいけない「NGワード」とは 元メガバンク支店長が教える“銀行との正しい付き合い方”
――お金を借りるときの注意点はありますか。 菅井:銀行は、事業者のお手伝いをするためにお金を貸します。事業主と銀行の関係性の中でNGワードは「投資」です。銀行は「投資」にお金は貸しません。「投資」をしたいから物件を紹介してくださいとか、お金を貸してくださいはダメです。「不動産賃貸事業をしたいので、お金を貸してください」という言い方にしないと厳しいでしょう。たとえば古い実家のリフォーム代。水回りを中心にした600万円のリフォームをしたいという場合。「空き家で賃貸事業をしたい。人に貸したら20万円ぐらいの収入になると見ています。総額は600万円、自己資金100万円。残りの500万円を貸してくれませんか」という相談をすればいいんです。 ■気軽にアプローチを ――てっきり私は銀行の個室とかで、銀行員とひそひそ話ができるのはお金持ちだけかと思っていました。でも自分から気軽にアプローチしてもいいということなのですね。ところで菅井先生! 私は今、銀行のデビットカードを作ろうかと思っています。これはどうでしょうか。 菅井:銀行のデビットカードは信用事故が起きにくいのでおすすめです。使ったと同時に銀行口座から利用額が引き落としされますから、毎回銀行に行ってお金を下ろすという手間もカットできますし、口座に入っている金額以上は使えませんから使い過ぎも防げます。ただし、銀行によって金額は違いますが1100円程度の年会費はかかります。ポイント還元率はクレジットカードのほうが高い。今、日本におけるキャッシュレス決済の比率は約40%といわれています。日本政府は将来的にそれを80%まで上げるよう目標設定をしています。
――下ろしたお金をお財布に入れたけれど、(それほど時間も経っていないときにお財布を見ると)実際にはなくなっていて「あれ? ホントに今日、下ろしたっけ?」というのが多々ある(笑)。これからは履歴が残るデビットカードで買い物をしようかな。家計簿アプリと連携すれば、スマホで口座残高の確認ができるみたいですね。やってみます。 次回の「教えて! 菅井さん」のテーマは、損しない不動産の買い方。「どういう物件を買ったら損しないのか」です。 (構成・AERAdot. 編集部 大崎百紀) 菅井敏之(すがい・としゆき)/1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後に、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。東京と横浜で支店長を務め、25年間銀行マンとして働く。48歳で早期退職。現在は10棟のアパート経営で年間7000万円の不動産収入を得ている。また、人気講師として全国で講演やセミナーを行っている。現在は帝国ホテル内でお金に関するさまざまな相談も受けている。著書に『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)など。お金の専門家・菅井敏之公式サイト「お金が貯まるのは、どっち!?」(https://www.toshiyukisugai.jp)
大崎百紀