阪神 村上が中継ぎ待機 逆転Vへ「岡田マジック」発動 4連戦先発陣の有事に備え“万全”勝負手
阪神・岡田彰布監督(66)が26日、甲子園球場で行われた全体練習後、27日の広島戦(マツダ)から村上頌樹投手(26)を中継ぎ待機させることを明かした。残り5試合で繰り出した“勝負手”。広島が敗れてCS進出は決定したが、「岡田マジック」で逆転連覇を引き寄せる。 【写真】コーチ陣と話し込む岡田監督 逆転Vへ「岡田マジック」発動 聖地のグラウンドに姿を現した岡田監督が、真っ先に向かったのは投手コーチの元だった。安藤、久保田両コーチと交わした会話の内容は村上の中継ぎ待機だった。 「明日(27日)からベンチに入れるよ」 村上を中継ぎ要員として広島遠征に帯同させる“勝負手”を明かした。 岡田監督はその狙いを語る。「DeNAの2戦目(30日)があるからな。そこでも投げられるし。絶対に使うわけじゃないからな、もしも何かあった時のな」。先発投手の早期降板や負傷などの“有事”に備え、複数イニングを消化する「第2先発」として右腕をブルペン入りさせる。潤沢な投手陣を抱えるからこそ可能となる秘策だった。 布石はあった。名古屋から横浜への移動日となった19日。ナゴヤ球場で行われた野手指名練習後に指揮官は語っていた。「村上にしても西(勇)にしても、投げるとこあんまりないから、あいつらも中入れられるんやで。村上も。そうやで、ほんまは」。その言葉を実行に移す時が来た。 村上は18日・中日戦(バンテリン)以降、登板機会がなかった。11日・DeNA戦(甲子園)では勝敗こそ付かなかったが7回3失点にまとめており、30日・DeNA戦(甲子園)に先発する可能性も残されていたが、同戦は青柳が先発に回ることが濃厚となった。 今季初の中継ぎ起用となる村上だが不安はない。MVPと新人王に加え最優秀防御率のタイトルも獲得し、大躍進を遂げた昨季も中継ぎでのスタートだった。岡田監督も「もう、ここまで来たらそんなん、できる、できんの問題じゃないぞ。できなしゃあない」と自信を持って村上を送り出す。 この日、救援陣に交じって調整した村上は「監督次第なので『行け』と言われたところでやっていきたい」と短い言葉に決意を込めた。 ペナントの行方はまれに見る混戦となったが、岡田監督は泰然自若を貫く。「相手(巨人)が勝つか負けるか待ってるだけの状況や、今は。全然複雑ちゃうよ、負けるの待ってるよ、それだけや。そらしゃあない、勝負の世界やからな。勝ち負け付くんやから」。他力本願の状況は変わらないが、だからといって手をこまねいているわけではない。土壇場の「岡田マジック」で逆転連覇をたぐり寄せる。