メジャーに最も近い? 中日の右腕に「佐々木朗希を超える素材」高評価
交流戦で申し分ない働き
4月28日に一軍昇格すると、本来の直球のキレを取り戻していた。7試合登板で3勝0敗、防御率0.56。クオリティー・スタート(先発が6イニングを投げて自責点3以内)率は85.7パーセントと安定した投球を続けている。今季の交流戦前に意気込みを口にしていた。 「昨年の交流戦は防御率0.00でした。3試合投げて自責はゼロ。『自責は』というのは昨季6月21日の敵地での楽天戦です。自分の悪送球が絡んで2失点しています。チームが勝ったからよかったのですが、決して後味はいいものではありませんでした。普段、対戦することのないバッターですから、初見で打たれるわけがない、というぐらい強気でマウンドに上がるようにしています。2年連続で交流戦防御率0.00の選手はまだいないということは、メディアの方からうかがいました。もちろんチームが勝つために、その気持ちで1試合1試合投げていった結果、またいい防御率で終えられたら最高です」 有言実行の投球を披露する。5月28日の西武戦(バンテリン)は8回途中4安打無失点の快投で今季2勝目。6月4日のソフトバンク戦(バンテリン)は5回8安打1失点と交流戦で2年ぶりの自責点を喫したが、11日の日本ハム戦(エスコン)は7回3安打無失点で3勝目を挙げた。2年連続交流戦防御率0.00は達成できなかったが、3試合登板で2勝0敗、0.47。申し分ない働きぶりだった。 高橋宏は未完成だ。制球は改善の余地があるし、緩急をうまく使えば球数を減らして完投も増えるだろう。裏を返せば、伸びしろだらけと言える。いまだ到達してない2ケタ勝利は通過点で、15勝以上勝てる能力を持っている。本格的に覚醒したとき、どんな投手に進化しているか楽しみだ。 写真=BBM
週刊ベースボール