90年代を代表する伝説のドラマ、反町隆史の『GTO』は“不適切にもほどがある”⁉︎ 令和基準で観た結果、いろいろとヤバすぎた!
鬼塚の“ありえなさ”を楽しむアトラクションドラマ
だが令和のいまとなっては、このような描写はフィクションのドラマのなかの話だとしても“ナシ”だろう。「こんな暴力教師ありえない!」と大炎上するか、「リアリティに欠ける」と興醒めされるか、どちらかに違いない。 そのため“令和脳”のまま『GTO』を観ると、悪い意味で気になることが多すぎて、まったく楽しめなくなってしまうかもしれない……が、ご安心を。 ハンマーで壁破壊や屋上から生徒吊り下げなど、鬼塚の行動がブッ飛び過ぎていて、ここまでくるともはやコントのように思えるため、コンプラがどうこうなんて気にならなくなって、むしろ痛快なのだ。 ちなみに、鬼塚は教頭が生徒をクズ呼ばわりすることにブチ切れたわけだが、着任初日、受け持つクラスの生徒たちと対面する前に、ヘラヘラしながら「どうせさ、どうしようもない悪ガキの集まりでしょ」と偏見まみれの放言を吐いている。 生徒を「クズ」呼ばわりはダメで、自分は「どうしようもない悪ガキ」と決めつけるあたりにスタンスの矛盾を感じるが、このドラマを楽しむためにはこういう細かいツッコミどころを気にしたら負け。 『GTO』とは、反町演じる鬼塚の“ありえなさ”を楽しむアトラクションのような作品なのである。 余談だが、本作は反町本人が歌って作詞もしている『POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~』が主題歌となっており、『GTO』を思い出すと条件反射的にこの曲が脳内再生されるという人も多いはず。 筆者は、当時はそこまでいい歌だとは思っていなかったが、今回観なおしているうちに反町の独特な低音ボイスがクセになって、聴けば聴くほど名曲だと思えるように。中毒性もあり、気付くと毎回毎回あのイカしたギターイントロ待ちをしている自分がいるのに気づかされた。
松嶋菜々子、窪塚洋介、小栗旬のサプライズ出演は?
久しぶりに『GTO』を観て感じたのは、昨今の令和ドラマはツッコミどころが少なく整合性はあって“ちゃんとしている”のだが、逆にちゃんとしすぎていて“小さくまとまっている”作品が多いということ。 先ほど挙げた鬼塚のスタンスの矛盾など、最近のドラマの主人公なら「キャラ崩壊だ」と糾弾されそうなものだが、そういった辻褄が合わない大味なところこそ『GTO』の魅力。主人公の豪快すぎるエネルギーにただただ飲み込まれて、当時の視聴者たちも現実のイヤなことが頭から吹っ飛んでいたことだろう。 だから新作『GTOリバイバル』でも、コンプラを過剰に気にする“令和脳”の細かい指摘なんかは気にせずに、ツッコミどころだらけでもダイナミックな作風に仕上げてほしい。 先行公開されている予告ムービーでは鬼塚がチェンソーを持っている姿があるので、ハンマー壁破壊のような衝撃シーンの再来も期待できそうだ。 https://youtu.be/IhABzKcP8mM 『【あの伝説の教師・鬼塚英吉が帰ってくる!】反町隆史主演『GTOリバイバル』4月1日(月)よる9時放送!』。カンテレchannelより また、当時の『GTO』はのちに反町と結婚する松嶋菜々子がヒロイン役で出演しており、ほかにも窪塚洋介や小栗旬らも生徒役で出演していたので、『GTOリバイバル』には松嶋、窪塚、小栗らのサプライズ出演の可能性もある。 反町・松嶋夫婦は昨年11月のCMで共演を解禁しているし、同じく昨年11月に窪塚がInstagramで反町・小栗とプライベートでのスリーショットを公開しているので、『GTOリバイバル』出演の布石とも考えられるからだ。 ――放送当時24歳だった反町も現在50歳。 倍の年齢になっているものの、昔のイメージを一切損なわない、かっこいい存在でい続けていることも、今回の新作実現につながったのではないだろうか。 20代の頃と変わらず若々しいという意味ではなく、アラフィフなりのビジュアルになってはいるが、円熟味がありながらもヤンチャさを残しており、最高の歳の取り方をしている。 『GTOリバイバル』は、鬼塚が再び問題だらけの高校に教師として赴任するストーリーのようなので、最強のイケオジとなった反町が演じる鬼塚が、令和の高校生たちにどうぶつかっていくか、楽しみでしかない。 文/堺屋大地