【二刀流】焼き肉店×画家 店内を彩る絵画作品 岩手・盛岡市
TVIテレビ岩手
今月は大谷選手のように「二刀流」で頑張る人たちを紹介します。1回目は焼き肉店と画家の「二刀流」に取り組む盛岡市の男性です。 平井裕貴さん 「絵を描いて、それを見てくれた人が感動してくれたり、何か感じ取ってくれればいいなと思って絵を描いています」 盛岡市向中野。郵便局の隣に去年12月にオープンした焼き肉店。「マシッタ」とは韓国語で思わず口に出てしまう「おいしい」を意味します。 平井さん「ありがとうございます。小冷麺置きます。辛みが足りなかったら言ってください。ありがとうございます」 「マシッタ」人気のランチメニュー。4種類から選べるお肉は、1.5人前。それに、ライスと小冷麺がセットになった、大満足の ランチです。 お客さん 「おいししかったです。あの、ボリュームもっていうか、ご飯の量も選べるので。すごく食べ応えありました」 画家でもある店長の平井裕貴さんが焼き肉の仕事を始めたのは、30歳の時でした。 平井さん 「もし絵だけだと大変だろうということで、手に職をつけたらどうだっていうことで、焼き肉を勧めてもらいました」 店内には、平井さんの大・小 様々な作品が飾られています。 平井さん 「開店当時から、絵を飾って"絵と焼肉の店"をコンセプトにして、お店を作りました。何か色が生きてたり、色もいろんな色が混じり合ったり、混じらなかったりして、生きてるとか、何か動いてるっていうのをテーマに描いてます」 お客さん 「さっき対応してもらった時は、穏やかな感じだったんですけど、絵はこう… 燃えるような感じの想いがあるんだろうなと」 平井さんは、自宅の一室をアトリエにして、絵を描いています。小学校高学年の時に見た「ゴッホ」の絵に感銘を受けて、絵画教室に通うようになりました。 名古屋の芸術大学を卒業後、3年に1度開かれる全国公募展に入選。しばらくは名古屋で働きながら 作品を描きますが、震災後、盛岡に帰ってきました。 使う絵の具は、油絵の具よりも 乾きが早いアクリル絵の具。筆ではなく、スプーンを使って 描きます。 平井さん 「昔は筆で、細かな作業とかが好きで描いてたんですけど、何か筆から急にスプーンになって、ずっと何か描いてます。自分がその時に好きな色をすくった時に、できる偶然の色が好きで、それを置いてくのが、何か自分の中で興味がでて描いてます。はい」 平井さんが描く作品には、もう1つ、特徴があります。 平井さん 「できるだけ、笑っている顔を描くようにしているんですけど、見てくれた人が、少しでも何か和んでもらったり、ウワァ~って楽しんでもらえればいいなと思って、笑った顔を描いてます」 盛岡市本宮に、平井さんの絵を 飾っている店があります。のれんをくぐると、平井さんの絵が出迎えてくれます。創業44年。「すし清」で絵を飾るようになったのは、3年ほど前のことです。 加藤さん 「きっかけは、お友だちの お母さん。ウチの息子が絵描くから、飾ってくれない?とか言うからどうぞどうぞって言って。そしたらね、皆それぞれ顔が描かれてて、なんかね、幸せを運ぶ…(笑)運んでくれる絵でした」 オープンから、まもなく1周年を 迎えるにあたって、平井さんは、新メニューを 考えました。牛骨を4時間煮込んで完成させる冷麺スープをベースに。粉から手練りで仕上げた麺は、温めた状態で。珍しいしょうゆ味の「温麺」です。 平井さん 「普段、まかないで冷麺とかを食べるんですけど、温かい冷麺作ったら、皆 美味しい美味しいって言ってくれて、こんなにおいしいなら、お客さんにも出したいなぁってことで新メニューにしました。南蛮とブラックペッパーが効いてるっていうことで、しょうゆ温麺だと、初めに『あっ、何かチョット甘い』みたいな感じが口に入ると思います。」 焼き肉店の仕事が終わってからの創作活動。両立させるのは、大変ではないでしょうか? 平井さん 「もちろん、お客さんが いっぱい来てくれて繁盛した時は大変なんですけど、その中で自分は絵を描いていて、何か気持ちがリセットして、さぁ次の日、頑張ろうみたいな感じになってます。はい」 平井さんの絵に、新たなテーマが生まれました。 平井さん 「お花を見て、花ってきれいだなと思ってて、何かこの今自分が描いているヤツが、花になっていけばいいなと思ってて、何かテーマを"花"にしようとしています。はい(笑)」 焼き肉と絵画の「二刀流」。その両方で、平井さんは訪れる人々に、笑顔の「花」を 咲かせています。