多発する自然災害…高齢親の災害対策は大丈夫?9月1日防災の日に見直したい「シニア世代のための準備リスト」
元旦に起きた能登半島地震に、頻発するゲリラ豪雨。今年の夏には南海トラフ地震の危険性も取りざたされ、改めて災害に対する危機感が高まりました。今回相談を寄せてくださった美咲さんは、海の近くの自宅はもちろん、年老いた両親のことも気になっているといいます。そこで9月1日の防災の日を機に、災害に備えてシニア世代が特に準備しておくべきことを考えてみます。
高齢親が災害に遭ったら……!?
最近、巨大地震が起こったら……という恐怖がリアルになってきました。というのも、筆者の家は海から徒歩3分の距離にあり、東日本大震災ほどの津波が来たらひとたまりもありません。市が公開している津波シミュレーション動画で以前から分かってはいましたが、現実がいよいよ迫りつつあるなという気がしています。 ちょうど先月周辺で大きな地震があり、大きなお祭りの最中だったこともあって街はちょっとしたパニックに陥りました。しかも私が住んでいるのは観光客も多いエリア。地域住民でさえ、どこに逃げるかその後真剣に話し合ったというのに、何も知らない方たちは一体どうなるんでしょう……。さらに気になったのは年老いた親たちのことです。 夫の実家は同じ市内にあり、義母は自力で歩くのが難しい要介護3。普段はデイサービスやヘルパーさんの手を借りながら生活していますが、高齢の義父と2人きりの時に災害に遭ってしまったらどうなるんだろうと、施設への入居も考え始めました。 幸い実の両親は介護が必要な状態ではありません。ただ、富山という離れた土地に住んでいるのですぐに助けに行ける距離ではなく、心配は尽きません。年末年始はちょうど実家に帰省していましたが、能登半島地震が発生してわずか3分後に富山に津波の第1波が到達したというニュースが流れ、ヒヤヒヤしました。 今後のことが心配なので、高齢者の災害対策について教えてください。
1人で逃げるのが難しければ「避難行動要支援者名簿」の登録を
阪神・淡路大震災では、死亡者のうち65歳以上が43.7%、東日本大震災では54.4%と約半数を高齢者が占めました。さらに豪雨や台風などの風水害は、災害規模にかかわらず、死者数の6~8割となっています。ある程度の予想がつく結果かもしれませんが、シニア世代は災害の影響を強く受ける傾向にあることがわかります。 相談者の美咲さんの義母のように、1人での避難が難しい方は「避難行動要支援者名簿」に登録してください。こちらの名簿は市町村に作成が義務付けられているもので、災害時の避難支援や安否確認などに利用されます。災害が発生した際に自ら避難することが困難と思われる方を管理していて、高齢者のみの世帯、要介護3以上、障害のある方などが対象ですが、自力避難が不安なときは該当外でも自治体に相談してみてください。