カメラで撮影 体重4秒で推定 養豚農家の負担軽く
誤差少なく 上物率も向上
JA全農グループは、養豚農家の負担軽減へ、カメラで肥育豚を撮影すると体重を推定できる「Hapimo P-Scale」の普及に力を入れる。体重計に豚を乗せる作業を省ける他、目視よりも正確に体重を把握でき、適正体重での出荷に役立つ。全農グループが取り扱う「ハイコープ豚」専用の製品も開発している。 同製品は重さは900グラムで、片手で操作できる。1~1・6メートル離れた位置から豚の横姿を撮影すると、約4秒後に体重の推定値が表示される。実際の体重との誤差は約3%。 豚は適正体重で出荷するため、体重計の上まで追い込んだりする作業が必要。人の目で体重を判断したが適正体重とずれが生じ、等級が下がってしまうケースもある。 長崎県西海市で約1・8万頭を飼養する中村産業は、同製品の活用が適正体重での出荷につながり、上物率が約9%向上したという。体重測定の作業時間短縮に加え、必要な人員も3人から1人にでき、「効率が格段に良くなった」(浦上浩二取締役)という。 全農が育種した繁殖・産肉能力に優れた「ハイコープ種豚」を親豚とする肥育豚(ハイコープ豚)専用の「ハイコープver.」も昨年10月に発売。ハイコープ豚の体重をより精度高く推計できる。 同製品は全農畜産サービスが販売する。
日本農業新聞