「家族団らん」がストレスに⁉孤独な子ども時代、憧れていたはずなのに「自分らしさ」とのはざまで逃げ出すことに
義実家ではじめて感じた「家族らしさ」
夫は次男。新居近くには彼の実家があり、両親と祖母と兄家族が住んでいました。実家は自営業で、18時半には家族みんながそろって食事をする「絵に描いたようなあたたかな家庭」だったといいます。 夫はほぼ毎日残業のため、一人で過ごす真奈さんを気遣い、義母が食事に呼んでくれるように。週の半分は彼の実家で夕食を食べるようになりました。「ウチには男の子しかいないから、娘ができてうれしい」と義母も義祖母も真奈さんをかわいがってくれました。 結婚してすぐに就職活動ははじめたものの、思うような職に就くことはできませんでした。知る人もいない東京で仕事もなく、時間を持て余していた真奈さんにとって、夫の家族にあたたかく迎え入れられたことはありがたいことだったといいます。彼は土日も出勤することが多く、彼抜きで信州の別荘や温泉旅行に出かけるようになりました。 「彼の家族なのに、『家族の想い出』に彼がいないんです」と笑う真奈さん。 【前編】では真奈さんの結婚までの経緯と離職、憧れだった「家族団らん」のある義実家との交流とついてお伝えしました。 ▶つづきの【後編】では、家族の輪のなかに夫が不在だというすれ違いやストレス、その後の結婚の行方についてお伝えします。
イラストレーター・コラムニスト・漫画家 陽菜ひよ子