12月市議会一般質問 補聴器購入費の一部助成 中等度も対象に制度創設へ【山陽小野田】
山陽小野田市は、中等度の加齢性難聴者に対して補聴器の購入費を一部助成する具体的な検討を始めた。市議会12月定例会一般質問2日目の9日、補助制度創設を求める伊場勇議員(創政会)の質問に、藤田剛二市長が「制度を早期に固め、創設できるよう進める」と答弁した。 加齢性難聴者の補聴器購入に関しては、障害者総合支援法によって定められた補装具支給制度で補助が認められている。しかし対象者は重度と高度の人だけで、中等度難聴者は対象とはなってない。 難聴者は人とのコミュニケーションが困難で社会との関わりが希薄となり、閉じこもりがちになる傾向にある。また社会的活動が制限されたり喪失し、認知症を引き起こすという影響も指摘されている。 こうした課題に独自で補助対象枠を広げようと、県内では下関市で市内在住の65歳以上の中等度難聴者で購入希望者本人の住民税が非課税な人に購入費の2分の1(上限3万円)を補助。岩国市は課税制限を設けず上限3万円を補助している。 日本補聴器工業会が示す難聴者発生率の係数を適用すると、山陽小野田市内には5300人の加齢性難聴者がいると推計される。国内での補聴器装着率は欧州より低い傾向にあることや、他市の申請率なども加味し、実際に補助を希望する人は非課税者で90人程度と見込まれる。 必要経費として、市では課税制限を設けた場合は270万円、設けない場合は800万円を見込んでいる。藤田市長は「認知症のリスク因子でもあり、制度設計し助成を早期に実現したい」と前向きな考えを示した。 市議会は今年の3月定例会で、加齢性難聴者の補聴器購入に公費助成制度の創設を求める請願を全会一致で採択している。