エンターテインメントを追求し続ける堂本光一、「SHOCK」ファイナル公演上演中
堂本光一が作・構成・演出・主演を務める『Endless SHOCK』。エンターテインメントに命を懸ける若者たちの情熱と青春、エンターテインメントの華やかさと厳しさを描いた伝統の舞台が、11月8日、東京・日比谷の帝国劇場で開幕した。 【全ての写真】堂本光一が作・構成・演出・主演を務める『Endless SHOCK』ファイナル公演ゲネプロより(全12枚) 2000年11月の初演(『MILLENNIUM SHOCK』)以来、堂本光一の国内ミュージカル単独主演記録を更新し続けてきた「SHOCK」シリーズは2024年がラストイヤー。4月と5月に帝国劇場で本編とスピンオフの『Endless SHOCK Eternal』を、7月と8月に大阪・梅田芸術劇場、9月に福岡・博多座で本編を上演。そして、来年2月に改装に入る現帝国劇場で、24年もの大ロングランとなった「SHOCK」はついに幕を閉じる。 オーケストラピットのコンダクターが、指揮棒を振ると「Overture」がスタート。そして幕が上がると全キャストによる「CONTINUE -prologue-」に。華やかできらびやかなステージで、夢はずっと続くのだ、果てしない道の向こうにもきっと行けるのだと高らかに歌い踊るこのオープニングで、いよいよ「SHOCK」の世界にいざなわれる。 舞台はニューヨーク、オフブロードウェイ。小さな劇場ながらも人気公演を牽引する若きスター、コウイチ(堂本光一)は仲間たちと日々、夢を追いかけている。「NEW HORIZON」に乗せて、名物のひとつであるフライング(美しい!)や、宙に浮く赤い車を使った派手な演出など、華やかな“ショー”が大成功で終わると、早速、カンパニーの仲間たちは次の公演に向けて高揚感を抑えられない。 久々に全員揃っての出演となったふぉ~ゆ~(福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介)の抜群の安定感と安心感、バレエをベースにしたダンスで魅了する松尾龍(SpeciaL)の優雅さ、急遽、出演が決まった松浦銀志(Go!Go!kids)の初々しさと清らかさ。そして誰が演じるかでガラリと雰囲気が変わるライバル役は、強さと雄々しさをまとった上田竜也(KAT-TUN)。のちに取り返しのつかない悲劇を引き起こす、熱く燃えたぎった激情は上田ならではのものだろう。 この日のヒロイン・リカを演じる綺咲愛里は可憐でありながら、どこか凛とした魅力を、リカの母であり、コウイチたちの劇場のオーナーは「SHOCK」には欠かせない前田美波里はさすがの貫禄だ。 あるとき、コウイチにオンブロードウェイへの誘いが来るが、これをきっかけにカンパニーに亀裂が生じてしまう。中でもタツヤは本番中のトラブルをきっかけに、コウイチの剣をわざと真剣にすり替え、“Show must go on”(何があってもショーは続けなくてはならない)を信念としているコウイチを挑発する――。この1幕のクライマックスでは、壮絶な殺陣と、鬼気迫るコウイチと、動揺と焦燥が渦巻くタツヤの一騎打ち、そして「SHOCK」名物、堂本の階段落ちと、息を飲む圧巻シーンの連続だ。 2幕ではタツヤの後悔と苦悩、コウイチが教えてくれたエンターテインメントの神髄を噛みしめる仲間たちによるストーリーが展開しつつ、堂本と上田が魅せるショーが中心に。堂本は腕の筋肉で支える布を使用したフライングや、2階に降り立つフライングではハシゴを使用し、度肝を抜くパフォーマンス。体幹の良さを感じさせる多種多様なフライングで、帝国劇場の宙をこんなにも自在に美しく舞えるのは堂本光一だけだろう。上田も扇子や傘といった和テイストを用い、セクシーさと力強さが融合したパフォーマンス。和太鼓パフォーマンスでは、堂本と上田が互いの顔を見ながら、ハイタッチのごとくバチを合わせてから、太鼓をたたき始める。時折笑顔があふれるなど、楽しそうなふたりに胸がアツくなる。 こうしてコウイチとタツヤのわだかまりが解け、1度はバラバラになったカンパニーも再びひとつになる。コウイチは仲間がいたからこそ走り続けられたこと、人はひとりでは生きていけないこと、そして“Show must go on”の精神を改めて確かめるように、カンパニー全体で「CONTINUE」を歌って大団円を迎えた。 カーテンコールでは、堂本がコレオグラファ―として本シリーズの振付をしたトラヴィス・ペイン、ステイシー・ウォーカーがアメリカから駆け付けていることを明かし、「おふたりから振付をもらうことによって、この作品を上演すること、このステージに立つことについて自信をもらった」と謝意を述べた。ライフワークとも言える「SHOCK」は、今回が現帝国劇場での最後の公演となるものの、“Show must go on”の堂本光一だからこそ、これからもエンターテインメントを追求し続けるだろう。 取材・文:熊谷真由子 撮影:平野祥恵 <公演情報> 『Endless SHOCK』 作・構成・演出・主演:堂本光一 【東京11月公演】 2024年11月8日(金)~11月29日(金) 会場:帝国劇場 出演: 上田竜也 福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介、松尾龍、松浦銀志、石川直、綺咲愛里・中村麗乃(Wキャスト) 前田美波里 ※11月公演に出演を予定していた尾崎龍星は、体調不良のため休演。代わって松浦銀志が出演。 【東京4・5月公演】※『Endless SHOCK』『Endless SHOCK Eternal』同時上演 2024年4月11日(木)~5月31日(金) ※公演終了 会場:帝国劇場 出演: 佐藤勝利 越岡裕貴、松崎祐介、高田翔、寺西拓人、松尾龍、尾崎龍星、石川直、中村麗乃 前田美波里・島田歌穂(Wキャスト) 【大阪公演】 2024年7月26日(金)~8月18日(日) ※公演終了 会場:梅田芸術劇場メインホール 出演: 中山優馬 林翔太、室龍太、高田翔、原嘉孝、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里 島田歌穂 【福岡公演】 2024年9月1日(日)~9月29日(日) ※公演終了 会場:博多座 出演: 佐藤勝利 福田悠太、辰巳雄大、室龍太、高田翔、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里 前田美波里