火山の山頂で祈り「噴火はいつ起きてもおかしくない」 御嶽山噴火から10年、遺族や被災者らが追悼
死者58人、行方不明者5人を出し、戦後最大の火山災害となった御嶽山(長野、岐阜県境、3067メートル)の噴火災害は27日、発生から10年を迎えた。山麓の長野県王滝村の松原スポーツ公園では追悼式が開かれ、遺族ら約70人が参列。発生時刻の午前11時52分に黙とうし、追悼の祈りをささげた。 【写真】噴火災害から10年を迎えた御嶽山剣ケ峰からの景色
山麓の自治体はシェルター整備やヘルメット着用の呼びかけなどの安全対策を進め、噴火直後から続いた登山道の立ち入り規制は緩和された。曇り空が広がり、時折雨となったこの日、遺族や噴火当時の被災者らを含め、登山者は朝から山に入り、山頂の剣ケ峰を目指した。
2014年に登山を計画し、噴火災害を受けて中止したという神奈川県大和市の消防士、青砥美保さん(45)は母と一緒に登山し、剣ケ峰で慰霊碑に手を合わせた。一帯では噴火の痕跡を目にし、「いつ自分の身に起きてもおかしくない災害だと思う」と話していた。