【漫画】婚姻届を出せない女性夫婦が戸籍上“母子”に…切なくも心温まるストーリーに「泣く」「とても素敵すぎて」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、雪宮ありささんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「私たち夫婦は、戸籍上じゃ母と娘になっている。」だ。3月7日時点で5000以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の雪宮ありささんに制作の背景を伺った。 【漫画】婚姻届が出せない女性カップルが選んだのは"養子”2人の姿に「5億回リツイートしたい」「とても素敵すぎて」と反響 ■指輪を無くしたことから気付くお互いの気持ち 物語の主人公・柚葉と和花は女性同士の夫婦。しかし、婚姻届は出せないため、戸籍上は養子に入り母と子になっている。 提出されることのない婚姻届、式もあげていないのに描いてもらったウェディングボード、2人の思い出の写真。それらは、新居の真っ白な壁にたくさん飾られていた。和花はそれらをふとした時に眺めて幸せそうに目を細めていた。そんな和花の姿を見て少しだけ複雑な心境になる柚葉。 和花の相手が自分じゃなければ…。わかりやすい形で叶えてくれる人を選んだ方がよかったんじゃない?と。『あたしを選んで良かったって おばあちゃんになっても変わらずにそう思ってくれる?』と心の中で柚葉は不安になっていた。 ある日、和花は結婚指輪をシンクに落としてしまい涙する。 柚葉は指輪を落として落ち込んでいる和花に対して「指輪なくしたって…大丈夫だよ。そんなものなくったって…和花のこと一生離すつもりなんてないから」と想いを伝えた。 すると、和花は「でもあれは小さい柚葉だったから…」と顔を赤らめる。指輪を見ていると、どこにいても柚葉を思い出して、どこにいても繋がっていると実感できて嬉しく幸せだというのだ。 そこで柚葉は、「和花は形あるものにこだわって自分達の関係を目に見える形に落とし込み、正当化することで安心している」と思っていたのが自分の勘違いだったと気付く。和花がただ単純に幸せを噛みしめていたのだと思うと柚葉は愛しさでいっぱいになった。 今作は、そんな2人の心温まるストーリーだ。 実際に漫画を読んだ人からは「切なさ含め、全てが良い…」「泣く」「5億回リツイートしたい」「とても素敵すぎて」「リアルにある話なんだよこれは……」「この国でも同性婚が認められたらいいな」などの声があがっている。 今回は、漫画の作者・雪宮ありささんに作品ができあがるまでの話を伺った。 ■ 作者・雪宮ありささんの創作背景とこだわり ――「私たち夫婦は、戸籍上じゃ母と娘になっている。」を創作したきっかけや理由があればお教えください。 養子縁組を組んで一緒に暮らしている女性同士のカップルが取材を受けているところをたまたまテレビで観たのがきっかけです。その二人の仲睦まじいやり取りが微笑ましくて、そのお二人からインスピレーションを受けこの作品の制作に至りました。 ――「私たち夫婦は、戸籍上じゃ母と娘になっている。」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。 この漫画はほとんど主人公柚葉のモノローグ(独白)で進んでいく漫画です。そのため展開にあまり起伏がないのでモノローグでつまづく部分があると最後まで読んでもらえないだろうなと思い、最後まで読んでもらうためにモノローグ部分は1番こだわった…というより1番悩んで描いた部分だと思います。どういう言葉を当てはめたら読者に彼女の素直な気持ちがよりリアルに伝わるだろうか真剣に考えて作りました。 ――今回SNS上で読者の方から多く反響がありましたが、特に印象に残っている読者の声があればお教えください。 実際にこの2人のような関係でお付き合いされてる方が「すごく共感できる」と言ってくださり、それがとても嬉しかったです。 そういうメッセージを頂いたことで、ちゃんとキャラクターをこの世界に存在させることが出来たんだなと感じました。 読んでくれた方の心の深い部分に少しでも寄り添える漫画に出来ていたのかもしれないと気付かされたので、これを描いて本当に良かったと思える瞬間でした。 ――普段、作品を描く時にストーリーはどのようなところから着想を得ることが多いですか? ドキュメンタリー作品が好きでよく見るのですが、 その人がどういう事で悩み葛藤し何をして生きてきたのかを知るのが面白くて それを見ていたら触発されて新しいキャラクターが頭の中で顔を出してきて、 そのキャラクターは普段から何を思って生きてる子なんだろうと その子の心理を掘り下げていくうちにストーリーが出来ていくという流れが多い気がします。 ――雪宮ありささんの今後の展望や目標をお教えください。 プロフィール欄に漫画家と描いておりますが、胸を張って私は漫画家だと言えるかというと少し自信がなくて…。 なのでこの先はちゃんと自分は漫画家なんだと自分で言い切れるくらいの結果を残したいです。 そのためにもただ描いてるだけでなく、もっとたくさんの人に自分の作品を知ってもらう努力も欠かさずにやっていかなければなぁと思ってます。 ――最後に雪宮ありささんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 私にとって漫画は自分以外の誰かに読んでもらえた時 初めて存在できるものだと思っておりますので、 読んで頂けるだけでも有難いのに感想まで頂けると 嬉しすぎて本当に描いてよかったと今までの苦労が一瞬で報われる気持ちになります。 子供の頃、どこまでいっても自分はひとりぼっちだなと どうしようもない寂しさで窒息しそうだったあの頃 大好きな漫画を読んでいる時だけが、 それに触発されて物語を作っている時だけは 自分の生きてる時間の大半を占める寂しさを忘れることができました。 今漫画を提供する側になって、私の描いたものが 少しでも誰かの人生に寄り添えるものとなっているなら 作家としてこれほど幸せなことはないなと思います。 この先も生きている限りは漫画を描き続けていきたいと思いますので どうかこれからも暖かく見守って頂けましたら幸いです。
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