富山県立高校再編「一定の学校規模は必要」 県総合教育会議
教育委員と一部首長の考えに隔たり 県総合教育会議が12日、県庁であり、新田八朗知事と教育委員6人が2027年度以降の次期高校再編について議論した。1月中旬の知事と市町村長の意見交換では、地域に高校がなくなることを懸念し、小規模校のままでも存続を求める声が複数出たが、教育委員からは「多様な学びを実現するには、大規模校の維持こそ重要ではないか」との意見が上がり、考えの隔たりが見られた。 坪池宏氏は、県教育委員会が1月に開いた再編に関する市民フォーラムで、出席者から「一定数の生徒がいる学校で子どもを育てたい」という声を聞いたと報告。教員から得る学びが中心となる小学生の段階とは異なり、高校生は友人との関係の中で社会性を育んでいくと言い「大規模校は維持してもらいたい」と強調した。牧田和樹氏は「現実に子どもの数が減っていく中で学校だけを残すことは不可能」と述べ、規模を確保しつつ特色のある学校づくりを進めるべきとした。
村上美也子氏は「たくさんの小規模校が生まれるより、大規模校に小規模校の特徴を取り込むことはできないか」と提案。外国籍の子どもや特別な支援を要する生徒に対応できるよう、バラエティーに富んだ学科やコースを一つの学校に集める手法も有効と述べた。 県立高校の今後の在り方を巡っては、県教委の「県立高校教育振興検討会議」が基本方針の提言を策定中だ。昨年12月に示した素案では、再編統合の方向性について「さまざまな規模の学校をバランス良く配置する」とし、再編統合は「1学年4学級未満または160人未満の規模の学校」を軸に検討するよう求めている。提言は23年度内にまとめ、県総合教育会議が24年度から提言を基に具体的な再編議論を進める。 ただ、県教委の議論の進め方に一部の首長から反発の声が上がっており、県内15市町村長と知事、荻布佳子教育長らが出席した1月の意見交換会では「過疎地域の学校がなくなると、大きなしわ寄せになる」「(県立高校がある)13市町全てで学校を残すべき」といった意見が出た。