熱海土石流3年で追悼式、静岡 28人犠牲、復興は道半ば
災害関連死を含む28人が犠牲になった静岡県熱海市の大規模土石流が発生してから3年となった3日、市は市立伊豆山小の体育館で追悼式を開き、参加した遺族ら約70人が黙とうをささげ、献花した。斉藤栄市長は「悲しみが癒えることはない。復旧・復興に向けて全力を尽くす」と述べ、鈴木康友知事は「二度と同じような災害を起こさないよう安全な地域づくりを行う」と誓った。 市は昨年9月に警戒区域を解除したが、避難対象の132世帯227人のうち、先月20日時点で帰還したのは22世帯47人。復興は道半ばだ。 式では28人の氏名が読み上げられ、遺族らが花を供え静かに手を合わせた。長女西沢友紀さん=当時(44)=を亡くした小磯洋子さん(74)は式典後、鈴木氏に駆け寄り「娘の死を無駄にしないで」と訴えた。父を亡くした津市の伊東真由美さん(60)は「3年は長かった。なぜ起きたのか真相を知りたい気持ちが強くなった」と語った。
発生時刻とされる午前10時28分にはサイレンが鳴り、遺族らが黙とう。