「光る君へ」道具にされ三后辛辣!道長ついに「望月の歌」ネット反響「イメージ違う?」前日“同じ満月”
女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は17日、第44話が放送され、藤原道長が栄華を極めた象徴「望月の歌」を詠む姿が描かれた。前日16日には、1000年前と“同じ満月”が見られるとし、神奈川・平塚市博物館は「#道長と同じ月を見上げよう」と題したキャンペーンを展開。オンエア終了後(午後9時)には「望月の歌」が「X(旧ツイッター)」の国内トレンド15位にランクイン。従来のイメージとは一線を画した作劇・演出がインターネット上で反響を呼んだ。 【写真】大河ドラマ「光る君へ」第44話。藤原公任(町田啓太)は藤原道長に「左大臣を辞めろ」――(C)NHK <※以下、ネタバレ有> 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。 第44話は「望月の夜」。三条天皇(木村達成)の姫皇子・やす子内親王と藤原頼通(渡邊圭祐)の婚儀について、藤原彰子(見上愛)は藤原道長(柄本佑)に「この婚儀は、誰も幸せにせぬと、胸を張って断るがよい」と告げた。 道長の訪問に、藤原妍子(倉沢杏菜)は「父上は禎子(よしこ)が生まれた時、皇子ではないのかと、いたく気を落とされたと聞きました」「父上の道具として、年の離れた帝に入内し、皇子も産めなかった私の唯一の慰めは、贅沢と酒なのでございます。お帰りくださいませ。私はここで、この子とともにあきらめつつ生きてまいりますゆえ」と辛辣、猛反発した。 三条天皇は敦明親王(阿佐辰美)が東宮になることを条件に譲位を承諾。。一条天皇(塩野瑛久)の第二皇子・敦成(あつひら)親王(母は彰子)は9歳にして即位。長和5年(1016年)、後一条天皇(橋本偉成)の即位式が執り行われ、道長は幼き帝の摂政に。名実ともに国家の頂点に立った。彰子は国母となった。 道長は摂政と左大臣を兼務したものの、公卿たちは権力集中を懸念。藤原公任(町田啓太)は「陣定で皆の意見を聞きたい。それがなければ、政はできない。道長の中では筋が通った考え方なのだろう。だが、傍から見れば欲張りすぎだ。内裏の平安を思うなら、左大臣を辞めろ」と忠告した。道長は「何度も先の帝に、譲位を促したが、今度は、俺が辞めろと言われる番なのか」(心の声)――。 寛仁元年(1017年)、頼通が後一条天皇の摂政に。早速、19歳の妹・藤原威子(たけこ)(佐月絵美)に10歳の後一条天皇への入内を依頼。威子は嫌がったものの、寛仁2年(1018年)春に実現した。 三条院は藤原すけ子(すけ=おんなへんに成)(朝倉あき)と敦明親王に見守られ、崩御。後ろ盾を失った敦明親王は自ら東宮を降りた。一条天皇の第三皇子・敦良(あつなが)親王(立野空侑)(母は彰子)が東宮となった。 寛仁2年(1018年)、彰子が太皇太后、妍子が皇太后、威子が中宮に。3つの后の地位を道長の娘が独占した。祝いの宴が土御門殿で催されたが、娘3人は道長に冷たい態度。妍子は「父上と兄上以外、めでたいと思っておる者はおりませぬ」と睨み、威子は仏頂面だった。 宴もたけなわになると、道長は月を見上げる。 道長「実資殿(秋山竜次)、今宵は、まことによい夜だ。歌を詠みたくなった。そなたに返しの歌をもらいたい」 実資「私のような者には、とてもとても」 道長「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思へば」 実資「そのような優美なお歌に、返す歌はございませぬ。元しんが菊の歌を詠んだ時、白楽天は深く感じ入って返歌できず、代わりに元しんの歌に唱和したと申します。今宵も皆で唱和いたしましょう」 唱和の中、道長は振り返り、まひろ(吉高由里子)を見つめた。 道長が「望月の歌」を詠んだのは、旧暦10月16日。今年は11月16日にあたり、平塚市博物館はSNS上への月の写真の投稿を呼び掛けた。 SNS上には「望月の歌も虚しいね…」「本人も全くドヤ顔してないし」「何と重苦しい」「もっと偉そうな、驕り高ぶったイメージを抱いてきたのだけど、そういうことではなかったのかも…とも思わせる今日の回でした」「得意絶頂の陽キャが詠んだキラキラポエムのイメージだったけど、人々の想いが交錯する複雑なシーンになっていた。やはり巧い」「やはり、この歌は栄華を自慢した歌ではないと解釈できた」「このドラマでの望月の歌は、まひろとの約束にようやくたどり着けたという解釈なのか」「冒頭からの流れも相まってか…望月の歌とその唱和に、どこか不気味さを感じた」「一度見ただけでは解釈を読み取れない複雑さがあった」「不安でいっぱいの道長様がせめてもの願いを込めた強がりの歌なのか、喜びと円満を詠んだ歌なのか、道長様のあの表情…うまく読み取れないなぁ」などの声。様々な解釈がなされた。 次回は第45話「はばたき」(11月24日)が放送される。