「大石氏への寄付と認識」 長崎・知事政治資金問題 自民支部の会計責任者が証言
長崎県の大石賢吾知事の政治資金問題について、県議会総務委員会は28日、真相究明を図る集中審査を再開した。医療団体の寄付計286万円が自民党支部などを経由し、大石氏の後援会に流れた「迂回(うかい)献金」疑惑について、参考人として出席した自民支部の会計責任者は「医療団体から大石氏の後援会への寄付という認識だった」と証言した。 企業・団体から後援会への直接の寄付は禁止されており、大石氏はこれまでに「(医療団体に)私の後援会へ資金を移動する意図はなかった」と説明している。これに対して複数の医療団体は長崎新聞の取材に「(支部への)寄付は大石氏の応援」とし、大石氏への「寄付」かどうかを巡る両者の認識は食い違っていた。会計責任者の証言は医療団体側の説明と合致する。 政党や支部は企業・団体の寄付の受け入れが可能。会計責任者は2022年2月の知事選で、選対本部長で自民支部長の江真奈美県議が大石氏の選挙コンサルタントから「(支部の)口座を貸して」と求められたと説明。支部から資金移動が可能な江氏の後援会を経由し、医療団体の寄付を大石氏の後援会に入金するよう指示を受けたとした。「違法ではない」との説明も受けたと述べた。 大石氏も集中審査に出席。286万円の資金移動の経緯は「関係者に聞いたが分からない」と、従来の説明を繰り返した。参考人招致に応じていない選挙コンサルへ、出席するよう働きかけるかについては「それぞれの立場を尊重すべきだ」と否定的な考えを示した。