成田空港、搭乗橋タイヤを船舶クッションに 環境負荷軽減へ実証
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は6月19日、搭乗橋(PBB)で使用したタイヤを利活用する実証実験を始めると発表した。港湾運送事業を展開するダイトーコーポレーション(東京・芝浦)へ提供し、船舶と岸壁との間に使用する防舷(ぼうげん)材に役立ててもらう。 防舷材は、岸壁に船を横付けする際に船体が傷つかないように設置するクッションのようなもので、船体に取り付ける。ダイトーは成田空港への航空燃料の荷揚げなどの港湾作業を担っている。NAAがダイトーへPBBタイヤを提供することで、両社のコスト削減に加え、環境負荷の軽減も図りたい考え。 空港内で出た使用済みのPBBタイヤはこれまで、産業廃棄物として処分されていた。PBBタイヤは直径1メートル程度で機体用のタイヤ並みの大きさなことから、NAAでは保管や処分が空港運営上の負担となっていたという。 NAAは、脱炭素社会の実現など2050年度に向けた取り組みの方向性を示す「サステナブルNRT2050」を策定。資源の有効活用を進め、持続可能に発展するサステナブル・エアポートを目指している。
Yusuke KOHASE