ロッテ・佐々木朗希 新フォークボールはZOZOマリンの恩恵は受けられず…新庄監督の“指令”にも大苦戦
スタミナと集中力も
31日の試合で「佐々木降板」がアナウンスされると、ドジャース、ヤンキース、フィリーズなどのメジャースカウトたちのほとんどが席を立った。彼らからコメントは出ていないが、新フォークボールとは別の弱点も明らかになった。 「以前から指摘されていますが、佐々木のスタミナと集中力がクローズアップされました。対戦相手がトリッキーな作戦を仕掛けてくる新庄剛志監督(52)だったせいもありますが、この日の佐々木は苦しいピッチングが続きました」(前出・同) 初回のマウンドは、僅か8球だった。球速は150キロ台半ば。「令和の怪物」としては抑え気味のスピードだが、ストライク先行の投球が際立った。2回も3者凡退、だが、すでに新庄監督の術中に嵌まりつつあった。2回表二死、バッター・田宮裕涼(23)は平凡なサードゴロだったが、8球も要している。1回のマウンドと同じ球数を田宮一人に放らされ、続く3回も細川凌平(21)がセンター前ヒットを放つまでに9球を投じている。田宮は次打席でも9球を投げさせており、新庄監督の「打席では粘って、とにかく球数を多く投げさせろ」という作戦によって、追い込まれていった。 「細川に9球投げた後、続くスティーブンソン(29)には三塁内安打、松本剛(30)には四球を与えてしまいました。そのイニングは一死満塁のピンチをゼロに抑えましたが、粘られると剛速球かフォークの二択しかなくなり、バッテリー間でのサイン交換の時間も長くなっていきました」(ベテラン記者) スティーブンソンが出塁した直後、新フォークボールが大きく逸れて、ワイルドピッチになり走者を進めてしまった。3番・万波中正、4番・マルティネスは仕留めたものの、ともにフルカウントまで粘られている。僅か8球で初回を投げきったが、5回を投了した時点での投球数は、95。ベンチに戻ると、紅潮させた頬の汗を拭き、しばらく項垂れていた。同日のZOZOマリンは試合開始直後から気温20度以上の暑さで、海辺の眩しい陽射しも佐々木のスタミナを奪ってしまったのだろう。 「新庄監督は『佐々木対策』として、球数をたくさん投げさせ、1イニングでも早く降板させようとしていました。佐々木を早く降板させてからが勝負だと言っていました」(日本ハム関係者) 佐々木が5回で降板した後、4人のリリーバーが投入された。敗戦投手になったのはクローザーの益田直也(34)ではあるが、「粘って、佐々木に1球でも多く投げさせ、後続投手から勝ち越し点を取る」という新庄監督の作戦は見事に的中した。